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2000年06月08日

「機甲都市 伯林」川上稔


 前の話題、過去ログみてたら、同じ事書いてましたな。わー、成長していないワタシ(笑)

 今月の文庫の新刊で購入予定だった一冊。最近のお気に入りである川上稔氏の新刊、「機甲都市 伯林 パンツァーポリス1937」を発見したので、即保護。直ちに読破。以下、感想。


◇【川上 稔】「機甲都市 伯林 パンツァーポリス1937」/電撃文庫[book]

 著者本人曰く、「都市シリーズ二期目開始。初心者にもわかる都市シリーズ」とのことだったんですけど、ワタシにはわかりにくかったです。「格闘ゲームやシューティングゲームののり」ということらしいのですけど、勢いだけで、どうも状況が今ひとつ飲み込めず、またイメージもほとんどわかなかったのです。勢いに任せて、しっかりと文章が追えてなかったのかもしれません。理解するには、二度三度読み返さないといけないみたいです。最初から最後までまさに「疾風のごとく」過ぎ去ってしまって、後にはなにも残らずな感じ。次も伯林らしいので、それがでる頃にもう一度読み返すことにしましょう。

 じつは、これを発見したのは別の本を買いに本屋に行った副産物で、本来の目的であるところの1シリーズの真ん中で読んだせいで、よけいにわかりにくかったのかもしれません。だって、話も文体も全然違うモノなんだもの……。


◇【茅田砂胡】「デルフィニア戦記」/中央公論新社Cノベルスファンタジア[book]

 このところ、毎日のように本屋に通っては、馬鹿のように夏目さんをつぎ込んでしまったのは、すべてこのシリーズに手を出してしまったせいである。高校の頃からだから、実は始まった頃からなのか……、そのころから気にはなっていたモノの、表紙の絵柄から対象がワタシとは異なる事を感じ、手をつけずにいたのだけど、書評サイトでの評価数とそのべた褒めな様子から、思わず古本屋を巡って、一巻目を調達。とりあえず、読んでみて、モノの見事にはまってしまった。その後、続刊を仕入れるべく、古本屋を徘徊したが、発見できず、断腸の思いで新品を購入することに。新書版だから高いのにもかかわらず、全18巻。結局一週間で全巻購入、読破してしまいました。まったく、懐の寒いこと寒いこと。というわけで、以下感想。

 このシリーズのなによりの魅力は、主人公およびヒロイン(っちうのか?)、そしてそれを取り巻く人々のやりとりでしょう。ぽんぽんと繰り出されるそのせりふの群からは、どんなにつらい場面でも思わず笑いがこぼれ、そのキャラクターが妙に身近に感じられます。実際にいたら、迷惑千万な連中ですが、人間的な魅力は非常に大きいです。きっと、ふつうに考えればネタ的に大河ロマンとかいわれるような話なのですが、誰もがどたばたコメディーと評することでしょう。なかでも、物語の中心におかれる各独身男性陣の嫁取り物語は、抱腹絶倒ですね。笑いの連続。いろんな個性のキャラクターがでてくるから、きっと一人はお気に入りができるであろう、貴重な小説かもしれません。人気がでるのも頷けます。話としては、生まれに難ありな王様が、何とか王位についてそのあと近隣の二大国と一進一退の合戦をくりかえし……、みたいなシリアスな話なのに、全体を通してみてもそんな雰囲気はほんの少しで、基本的には皮肉の応酬、どつきあい、そんなかんじ。懐に余裕があったら、手に取ってみるとよいでしょう。お気に入りなキャラクター、一人あげるのは、ワタシには無理ですね。みんなお気に入りですよ。
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