【岩本隆雄】星虫
「星虫」
著者:岩本隆雄
イラスト:鈴木雅久
朝日ソノラマ文庫
【bk1】
ある日、宇宙から降り注ぎ、人の額に寄生した不思議な生き物「星虫」。人間に対して「有害」なのか「無害」なのか、そのとらえ方の微妙な差違と、それによって生じる周辺との摩擦。「ふつう」であるということの意味は? 中高生の時に誰もが描く将来への「夢」。それを取り巻く現実。そんな対比が妙に生々しく、また気持ちよく書かれている話です。また、今の地球環境を取り巻く様々な状況に対する、一つの考え方も書かれています。
将来に悩んでいる人、現状が行き詰まっている人、そんな人たちに一番よく効く特効薬だと思います。
これを読んだ後には、必ず何かが残るはず、そんな小説です。中高生の人たちにはとくに読んでほしい一冊ですね。