【岩本隆雄】ミドリノツキ(上)
「ミドリノツキ(上)」
著者:岩本隆雄
イラスト:小菅久実
朝日ソノラマ文庫
【bk1】
「星虫」の岩本さん、待望の新刊。舞台は日本だけど、「星虫」世界のお話ではなく、別のお話。
主人公は男子高校生。学校の自習時間、居眠りをしていて遭遇した不思議な夢と、それから起きる世界規模での騒動。先史文明の遺産なんて物が現れて、世界中大パニック。ただの高校生が、気がついたら、なんだか騒動の一端に片足をつっこんで……ってなところで、上巻終了。はっきり言って、これからどうなるのか、気になってしょうがないです。出てくるキャラクター一人一人の背景がたっぷりありそうで、上下巻ではもったいない気もする。岩本さんらしい地球規模でのスケールの大きさや、ちょっとした問題提起チックな部分もあり、考えさせられる。上巻で張り巡らせた伏線とギミックをどう決着づけるのか、期待大。それにしても、岩本さんの書く高校生って言うのは、なんかこう、いいですな。青春してるけど、そんなに青臭くもなく。好感が持てます。