【鷹見一幸】でたまか アウトニア王国奮戦記2 奮闘努力編
「でたまか アウトニア王国奮戦記2 奮闘努力編」
著者:鷹見一幸
イラスト:Chiyoko
角川スニーカー文庫
【bk1】
電撃の方で「時空のクロスロード」を書いていた鷹見一幸氏の、スニーカー文庫での新刊。背景にはいろいろといわくのある作品のようですが、中身は典型的なスペオペ。
金も地位もない貧乏貴族だけど、軍の士官学校では成績抜群。だから坊ちゃん貴族に恨まれて、配属先は辺境地区へ島流し。そこで勃発する戦闘をなんとかかんとかしてのりきっていく、とまあそんな話。設定その他はほかのスペオペと同じ。その点で半使い古された雰囲気ではあるものの、それが気にならないくらいに魅力的なキャラクター多数。今回はまさに「いい性格」な人たちの大活躍。人から地位や名誉や財産なんて、世間一般の評価を取り除いた先に自分に残るものは何なのか、その価値とはいかほどか、なんてちょっと身につまされるテーマもありそうだけど、渦中であるところの貧乏貴族はその点微笑ましい。「開いてしまった戦端をどう収束させるのか、そして渦巻く人間模様はいかに?」ってな引き際でやっぱり次巻が気になる終わり方。売れなければ次はないらしいけど、2冊目が出たからきっと大丈夫だと思いたい。