【滝本竜彦】ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ
「ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ」
著者:滝本竜彦
イラスト:
角川書店
【bk1】
第五回角川学園小説大賞特別賞受賞作。なぜかこれだけ大きめサイズの発行。
ちょっとしたスリルを味わった夜の雪の帰り道で、退屈な高校生活を送っていた主人公君は、チェーンソー男と戦闘を繰り広げる美少女さんを目撃する。その場の勢いで関わりを持ってしまったが故に、退屈な生活にちょっとしたアクセントが加わるようになって……。
と、まあ、日常と非日常の狭間を舞台にした青春モノとでも言いましょうか。なんだけど、ビミョーなんだよな、びみょー。普段、ワタシは本を読み始めるとほとんど読み終わるまでは一気に読んでしまうことが大半なのに、これは間に別の本が入り込み、読み終わるのに4日ほどかかった。これが示すにこの一冊は、浸れない。ワタシにとっては致命的。
ネタとしては「深層心理の作り出した”イドの怪物”」扱いだろうと思うし、そのアタリはうまく処理していると思うけど、主人公とその文体がワタシにはいただけない。文中の高校生活に共感がもてると非常にハマる話になるのかも。うーん、いまひとつ。