頭がえんぐりっしゅ
一週間の学会見学(笑)アメリカ旅行より帰国後、すぐさま国際学会の運営手伝いにかり出され、微妙に頭がえんぐりっしゅ漬け。おかげでそれなりに免疫もできたし、なんとかコミュニケーションがとれることもわかった。でも、きっと一週間で忘れるんだろうなぁ。実際、周囲に常にえんぐりっしゅがある状況でないと、だめなんだろうな。そして、自分の一番の課題。耳を鍛えよ……。
-今日の戦果-
「僕はイーグル3」夏見正隆/徳間ノベルス
殺人的な厚さ。京極を読まない人間には、ハードカバーでもないノベルスが1500円は脅威です。それはともかく、今回もえぐいえぐい。航空アクションを中心に、自衛隊を絡めた政府の内幕。ひたすらに金儲けと保身しか考えない政治家センセ達や、自分の出世にしか興味のない高級官僚などのジコ虫たち。視聴率というデジタルな数字にとらわれるあまり、自分の仕事を忘れてしまった放送局や、自らの主義主張の場と化してしまった巨大新聞社、そして報道関係者。マスコミによってフィルターにかけられた情報のみを丸飲みして騒ぎ立てる民衆などなど、かなりのデフォルメをされてはいるモノの、昨今の政治不信や、国際情勢、インターネットの普及による告発、たれ込み、うわさ話などを鑑みるにそうそうすべてを笑い飛ばすこともできないかもしれない、実はえらく社会派な新刊でした。しかし、今回、せっかくの航空アクション場面がすくなく、もっぱら政治がらみが中心になってしまったのは残念。でも、それぞれのキャラクターに厚みがあるので、まだまだ話は尽きなさそう。
同じ社会に対する皮肉ばりばりの田中芳樹「創竜伝」なんかより、ずっとこっちの方が好感が持てるのはなぜでしょう? いずれにしても、こういうのを読むと、中枢に巣くう過去の遺物どもが消え去らんことには、この国が前進することはないのではなかろうか、と思ってしまうなぁ。
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