【渡辺まさき】夕なぎの街 十八番街の迷い猫
「夕なぎの街 十八番街の迷い猫」
著者:渡辺まさき
イラスト:山田秀樹
富士見ファンタジア文庫
【bk1】
富士見で久しぶりに新しい人に手を出してみた。新人賞の最終選考に残った作品に手を加えたモノ。
舞台は明治大正の西洋風な日本独特な文化が形成されていた頃の街のイメージで、街の一角にある小さな和風居酒屋・夕凪。レトロ西洋な街と、和風の赤提灯、錬金術に魔術、そして自動人形と、なんともごった煮な雰囲気だけど、それが妙な感じでおもしろい。なんと言っても居酒屋だけに、出てくるつまみやまかないのおいしそうなことったらもう。表題にもある迷い猫さんもなかなかにいい味を出していてワタシの好み。
多少展開の端々に唐突さと強引さがあるけど、それを差し引いても楽しいお話でした。