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2006年06月20日

理系白書 この国を静かに支える人たち

理系白書 この国を静かに支える人たち
理系白書 この国を静かに支える人たち
毎日新聞社科学環境部
講談社
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 「はたして,理系は報われているか?」

 報われているという人もいれば,全く報われてなんてないね!という人もいそうですが…。

 最近定期的にチェックしている「理系白書ブログ」。 毎日新聞で連載している「理系白書」で担当をされている元村さんが多岐にわたる(おいしそうな食べ物ネタが多いけれども) 話題を提供していて,それにのっかって様々な人が活発に議論を繰り広げることもあるブログ。ここで,ずいぶん前に出版されていた「理系白書」 の連載をまとめたものが文庫落ちしたというので,仮にも理系・技術者のはしくれなので手に取った。

 単行本の出版は2003年ということで,さらに新聞連載をまとめたことから話題が少し古いのは致し方ないとしても, ちょうど島津製作所の田中さんや小柴教授のノーベル賞が話題になった頃だったからこんなネタで連載がもてたのかなとも思ったり。

 しかし,最初の話題がいきなり理系と文系の給与所得差とは…。最近職場でも話題になるけれども, エンジニアっつーのは偉くなれないから必然的にお給料も安かったりするわけで。エンジニアでもマネージメント能力に適正があれば, それなりに偉くなれるけれども,そうでない技術一本槍の人であってもそれなりの役職と手当ができるルートが必要だよね, なんて話をしていたり。

 国を動かすところにいるのが文系人間だけの割に「科学立国」を標榜できていたり,身近に就職先がなくてポスドクで流浪している (もしくはしていた)ドクターがいたり, そーいえば大学の隣の研究室の女性の助手さんがやっぱりいろいろ大変だって日本酒をざるのように飲みながら愚痴ってったっけなーとか, 「理系=オタク」の図式はしっくりきやすいのかとか,お金に困らなかった大学時代の研究室の先生はやっぱりすごかったのかなーとか, いろいろと頷けるところ,考えさせられるところ多々あり,おもしろい。

 今の「理系」を取り巻く環境は,これまでの蓄積に成り立っていて,問題点が多いことがわかっていても, 一朝一夕に改革できることでもなく,機会あるごとに声を上げて少しずつ意識を変えていかなくてはいけないんだと実感。 内にこもっているだけでなく,広く外に目線を向けなくてはいけませんね。

 まずは自分の仕事を,どんな人でも理解できるように説明できるようにならないといけないかなぁ。

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