旅行記(後編)
卓を囲んだだけで終わった一日目。翌朝は朝食を知らせる電話で起床。用意された広間に行けば、すでに他の宿泊客(三組)の食事は終了。我々が最後の様子。女将さんであろうおばさんが、配膳をしてくれる。前日は、ちょっと首を傾げてしまう風貌の、若いお兄ちゃんが二人ほどぐらいしか職員らしき人がいなかったのだが、このおばさんは前日はいなかったらしい。ちょこちょこと世間話などしつつ、食事。塩鮭に漬け物、温泉卵に、山菜の和え物、そして湯豆腐。何とも穏やかな朝食であった。
朝食後は、一人が風呂に行った以外は、またしてもマターリ。十時になってとりあえず宿を出る。玄関前で写真を一枚。先ほどのおばさんを連れてきてとってもらう。どうも申し訳ないですな。このおばさんに最後まで手を振り振り見送られ、出発。とりあえずの目的地はちょっと北上して新庄へ。
山形を南北に走るバイパスに出て北上。30分もしないうちに新庄市に入る。繁華街を求めて新庄駅前へ。最近になって山形新幹線が新庄までのびたのを機に、駅舎を建て替えたばかりでとても綺麗。車の少ないロータリーに車を止め、ロータリー前にあった菓子屋に入る。新庄名物「くじら餅」を作っている店。店のおばさんに、「この冬の山形は大変だった。雪が多くて多くて。」などと話を聞く。山形のおばさんはフレンドリー。おじさんは概して寡黙のようだ。まだできたてで温かいくじら餅を買って、駅の中をのぞく。中には最上地方の自然や文化、地理、気候等々がわかるちょっとした展示館がある。展示の仕方にちょっとした工夫があって、結構楽しめる。観光案内所では、ネットを自由に使うことのできるパソコンも数台設置してあり、なんとも親切。
新庄を出て、近くに道の駅があることを発見。それを目指し西へ。前日同様、2メートル近い雪の壁の間を抜けて、最上川沿いを進む。到着した道の駅は、韓国風の建物。どうも、韓国の都市との文化交流が盛んらしい。雪がたくさん残っている以外に特に何があるわけでもなく、これからどうするか、会議。地図とにらめっこして、ここまで来たなら、と庄内地方・酒田まで出ることに。
途中、風車の町・立川の風車村に立ち寄る。その後酒田市へ。主な目的は昼食の調達。繁華街と思われるところの駐車場に車を止め、商店街を歩く。しかし、飲食店がちっとも見つからない。30分以上歩いて、商店街をぐるっと一回りして、結局駐車場近くの寂れた食堂で何の変哲もないカツ丼やらそばやらを食す。何しにここまできたのやら……。腹を満足させ、出発。このまま何の収穫もなしかと思われたそのとき、南下するためのバイパス入り口にBOOK-OFF発見。とりあえず、入る(笑) 思わぬ店舗の大きさで、収穫もそれなり。皆何かしらを手に持って帰ってくる。そして南下開始。しかし、この南下途中、鶴岡にて再びBOOK-OFF発見(爆) 当然入る。ここでの収穫はそれほどでもなかった。この時点で予定を遙かにオーバーし、すでに17時をすぎていた。このままでは帰仙は21時かと思われたが、この後は順調に進み、月山の麓を越え、山形道で山形県を横断、そのまま東北道へ入り、仙台へ。結局、19時過ぎには着いた。酒田から二時間とは……。
兎に角、今回の旅行は「マターリ」一言に集約されるほど、何もしなかった。それが一番の収穫だろうか。ちなみに、この後、当日発売だった某サクラなソフトを求めて、ワタシがかけずり回ったのは、また別の話(笑)
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