遠野日帰り旅行記(後編)
後半です。
とんだハプニングがあった伝承園を出て、すぐ隣にある「早池峰古参道跡」を見る。参道の入り口の門の跡である。昔はここから早池峰神社への参道が続いていたらしい。だけど、伝承園などの建設に伴って、つぶしてしまったそうな。そんな話をそばにいた地元のおじさんに聞く。遠野の人たちは、この人に限らず非常にフレンドリー。とても暖かい気分になれる。
もと来た道をもどって、夏の大祭には流鏑馬が行われる「遠野八幡宮」へ。前回は改修工事をしていて雰囲気ぶちこわしだったのだが、今日はとてもきれい。流鏑馬の行われる馬場では、地元の子供が芝整備のためのトラクターに乗っけた木馬にまたがって、弓を引いていた。「子供流鏑馬」の練習らしい。その練習をしている奥には馬に乗る練習をしている子もいた。「こどもの日」あたりに行われるのかもしれない。
さすがにチャリンコをこぐのも疲れてきた頃だが、もう少し寄り道をして、小さな娘が神隠しにあったという木があったところへ。「寒戸のババ」の話である。神隠しにあった娘は30年後、びっくりするほど年老いて、山から吹き下ろす北風の強く寒い夜に親戚が集まる家に帰ってきたという。色好みのカッパ(笑)の話がある「太郎ガッパ」の池を経由して駅へ。実に3時間の行程。へろへろになってチャリンコを返し、駅近くの「遠野昔話村」と「遠野博物館」、桜祭りの行われている「鍋島城趾」などを見て回る。
昔話村では地元の方の昔語りが聞けるのだが、時間が合わず聞くことはできなかった。残念。それ以外でも「遠野物語」をまとめた柳田国男の生涯や、たくさんある昔話などを見ることができる。博物館でもカッパ淵のカッパの話と、恋に落ちた馬と娘の悲劇、蚕の神様オシラ様の話などが絵本風に見ることができる。博物館ではほかに、昔の遠野の自然、産業などについて詳しい説明が展示されている。内陸と三陸の物資取引の要所として、南部馬の市として栄えた遠野の様子がジオラマなんかも使って見ることができる。このころには閉館時間近く、桜のまだ残る鍋島城趾へ。痛い足を引きづって、展望台のある頂上へ。ここからは遠野市街地が一望。四方を山に囲まれた遠野の様子がよくわかる。ここで伝承館でのロケ部隊に再び遭遇。ここでは特に何もなかったんですけどね。桜は散り始めているものの結構残っていて、そこここで花見をしている一団も。日も暮れ始めていい雰囲気。
そろそろお帰り。ということで昔話村隣の物産館でおみやげを購入。久しぶりに車に乗って、駅の売店で地ビール、「まん十や」というお店で名物「酒饅頭」と一通り買った後帰路へ。同じルートでもおもしろくないので、途中でちょっとそれて夕食調達ついでに花巻温泉へ。ガイドブックに載っていた温泉郷ど真ん中にあるラーメン屋さんの名物ラーメンを目指していく。ここでも桜祭りをやっているし。ホテル宿泊客がたくさん。問題のラーメンはなぜかメニューから消されていた。仕方なくふつーのラーメンを。だが、これが結構おいしかった。こう素直なラーメンを久しぶりに食べた気がする。仙台のラーメンは特色がありすぎて、ちょっとねぇ。食後、ここは半分以上散っているものの証明のあるおかげでそれなりにきれいな桜を観覧。隣にあったバラ園内ものぞく。バラはまだ時期ではないものの、代わりにいろんな種類のチューリップが。花びらが広がっている変わったものもあって結構きれい。バラの時期にくるともっといいのでしょう。
花巻インターから東北道へ。一時間ほどで仙台へ。おつかれさまな、一日でした。何はともあれこれでリフレッシュ。いい気晴らしになりました。
--------