【茅田砂胡】桐原家の人々4 特殊恋愛理論
「桐原家の人々4 特殊恋愛理論」
著者:茅田砂胡
イラスト:成瀬かおり
中央公論新社C NOVELS
【bk1】
恋愛ものと言うよりも、ドタバタファミリードラマな感じの「桐原家~」最終巻。角川ルビーの時には出なかった曰く付き。ネタは、零君が桐原家にやってきた頃の一連の混乱劇。前回ちょっとしか出なかった城段君も今度はばっちり。「特殊恋愛理論」なんて副題がある割に、恋愛沙汰は味付け程度しか出てこない。そのかわり、少しスプラッタな描写が多いかも。読後の感想は「女は強し」の一言に集約されるでしょう。まあ、この人の作品はみんな女の人が強いんですけど。
零君が掘り下げられたのは、期待通りにおもしろかったんですけど、不満点も2点ほど。まず何より挿絵がひどかったこと。発売日が延びたことを考えると、おそらく茅田氏の責任と思われますが。けっこう挿絵気に入ってるシリーズなので、ちょっとこれはいただけず。もう一つは、エピローグであるところの新婚生活が薄かったこと。ここで半分くらいはほしかったです。
モノとしてはこれで終わりなんでしょうけど、すこーし不完全燃焼かな?