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2002年01月02日

一応明けましたおめでとうございます


 もうすでに一日経ってしまいましたが、一応明けましておめでとうございます。
 結局、いつものごとく、ずーっと神社で働いているので、そんなに正月気分というわけでもなく。そろそろ体力的にも限界に近い現状では、来るべき休日が待ち遠しく、やはり今日とてへろんへろんな感じです。
 今回は札場(守札授与所)のお仕事なので、比較的楽と言えば楽だけど、まぁ似たようなものですか。
 今日は、兄の人夫婦が実家に帰ってきていたので、三ヶ月になる姪っ子を抱かせてもらったりしてみたり。妙に人の顔を凝視する割に、ワタシが抱くとすぐにぐずりだしてしまう始末。今のうちに愛想ふりまいとかないと、もらうものもらいないよん(笑)
 さて、明日もしごと。人出、少ないとイーなー

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2002年01月06日

おつとめご苦労様です


 昨日をもって、神社での今回の奉公は終了しました。変則的な曜日設定だった今回は、三が日の参拝者も心なしか例年よりも増えた感じもしました。5年目になってしまって、お仕事は全面的に神札授与所(札場)になり、それなりに楽かと思われましたが、結局労働量に違いはなく、終わってみればヨレヨレになっている次第。いつも少しは登場する、ネタになりそうな人が今回はまるでいなくて、ちょっと拍子抜け。炊き上げのほうも比較的穏やかだったようです。しかし、こうやって神社なんかで働いていると、いろいろと知識も増えておもしろいものですよ。実用かどうかはさておいて。
 今年、ぢつはワタシは本厄なので、しっかりと厄除け開運の木札を受け、すっかり主要交通手段と化してしまったパパさんの運行に支障を来さぬよう、交通安全のお守りも受けて帰ってきました。なにかあったら、やっぱりヤですからね。
 ほくほくのお給金をいただいた後は、お約束の打ち上げにGO! いつも使っているお店が土曜日ということもあり、また近来まれに見る大所帯になってしまって入れなかったので、新規開拓のアジア料理屋さんへ。ワタシたちが老けたのか、それとも相手が若すぎるのか、これまた例年にない盛り上がりを見せ、泥酔者が2名ほど生成され、ご機嫌なものも多数。実に楽しい飲み会でございました。
 さて、バイト中にいただいた風邪の菌を保菌した状態で、今のところは今日、帰仙する予定。ただそのまえに、電脳街でお買い物ー。ついにAthronに手を出してみようかと画策中です。

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2002年01月07日

仕事始め


 昨日無事に帰仙しました。
 途中、電脳街に寄り道。半日近くうろついて、デジカメ用の充電池、及びその充電器、記録メディア、PCカードアダプタ、それからかなり圧迫してきてしまったので、デスクトップ用のHDDをひとつ。ハードディスクは、Maxstorの流体軸受タイプ。外面がQuantumチックなものなのが不安だったが、うちに帰って使ってみれば案の定、結構動作音がうるさかったりする。素直にSeagateにしておくべきだったか。本当は、Athron一式をそろえようかと思っていたけど、最近のメモリの値動きを見るに、あまりに高すぎるということでしばらく様子見。前の暴落した時に素直に買っておくんだったと後悔しきり。メモリの値段は読めないから、買い時の判断が難しいですわ。
 今日は素直にガッコへ。おみやげ片手に挨拶回り(笑) 今年一年よろしくです。そんな感じ。眠くてお仕事は手に着かないので、帰省中のデジカメ画像の整理。整えたらがんばってアップします。検索に引っかからないようにしとかないといけないけど。面倒だね……。
 この後はちょっと外出て、お勉強用の本をいくつか調達しないといけない。やれやれ。

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2002年01月09日

あっという間の乱れ具合


 仙台に帰ってきて3日。あっという間に食生活は乱れまくりです(笑) バイトが6時頃から始まって、終わるのが8時9時とかだと、夕食は必然的に買ったものになるわけで、なかなかそうバランスの取れたものを摂取することもかなわず。難しいところです。
 帰省中、少ない暇を見つけてちょこっと入手した戦利品、整理しましょう。
 -帰省中の戦果-


    「吹け、南の風1 星戦の熾天使」秋山 完/朝日ソノラマ

    「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコopt.10 君たちの知らないいくつかの出来事」庄司 卓/富士見ファンタジア 

    「スレイヤーズすぺしゃる18 跡継騒動森林レンジャー」神坂 一/富士見ファンタジア

    「レディ・ガンナーの大追跡(上)」茅田砂胡/角川スニーカー

    「トリティ・ブラッド Rage Against the Moons2 サイレント・ノイズ」吉田 直/角川スニーカー

 そして、今月は豊作の電撃新刊を本日捕獲。
 -今日の戦果-

    「ウィザーズ・ブレイン2 楽園の子供たち」三枝零一/電撃文庫

    「ダブルブリッド7」中村恵里加/電撃文庫

    「Missing3 首くくりの物語」甲田学人/電撃文庫

    「天国に涙はいらない5 逝き女五枚羽子板」佐藤ケイ/電撃文庫

    「若草野球部狂想曲EX アンサンブル」一色銀河/電撃文庫

 もう一冊、新人にもちょっと食指が……。そんなことすると今月の新刊ほとんど確保することになってしまう……。


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2002年01月10日

ハリポタ劇場版


 近所のシネコンは、割引日がたくさん。というわけで、今日は\1,000でみられる日なので「せっかくだから」見に行ってみた。というよりも、年明け一回目のプチ出張だったのに、計算用のハードウェアキーを某所に誘拐されていてやることがなかった、というだけだったりする。それはともかく、年末のお仕事がお休みの日をほとんどつぶして原作であるところの既刊3冊を読破したのだからやっぱり映画も見ておかないとねぇ。
 前に「千と千尋」をみたところよりも全然小さい劇場でとりあえずは字幕版をみる。誰かが評して「ダイジェストだ」とのことだったが、たしかに。原作読んでからでないと結構説明不足な点も多いかと。そもそも1年分を2時間ちょっとで駆け抜こうと言うんだから無理もあるか。最初に笑ったのは、ほうきの最初の授業かな。思わず吹き出してしまったよ。クィディッチのシーンは一番期待していたところだけど、興奮しました、やっぱり。欲を言えば、もうすこし「ニンバス2000」ならではの説明がほしかったところだけど。全体通して、人物が違和感ないのがうれしいかな。ハーマイオニー、かわいいっす。スキャバーズなんかのペットたちの出番がなかったのはもったいないかも。スネイプセンセもいい味出してました。塩沢さんが健在ならば、吹き替えは一番の適任だろうに……。めいっぱい堪能させていただきました。
 (私信)そうそう、監督生のバッチだけど、制服の校章の上にくっついていたとおもわれます。暗い赤もしくはエンジの盾型のピンバッチであろうものにしては結構大きめのもの。さすがにデザインまでは見えませんでした。参考になさってください>何の?w

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2002年01月12日

【秋山 完】吹け、南の風1-星戦の熾天使


「吹け、南の風1-星戦の熾天使」
著者:秋山 完
イラスト:小菅久美
朝日ソノラマ
bk1

 待望の「南の風」であります。「ペリペティア」ででてきたフレンが主役と聞いていたのですが、お話が長くなって分冊されるにいたって、一巻目の主役は謎の美少女・ジルーネお嬢様のようで。
 これから始まる「無邪気な戦争」のまさにプロローグ。だからまあ、全体的に盛り上がりには欠けるものの、今まで出てきた人たちがちょこちょこと再登場しているので、そういう点ではたのしめるかな。今回のジルーネお嬢様はかわいさ爆発かもしれません。いままで妖艶さや不気味さなんかが多く醸し出されていたので、ちょっとイメージチェンジ(笑) アキカン世界における、大きな歴史事件であるところの「無邪気な戦争」がこれからどのように展開していくのか、楽しみです。発刊ペースは気になりますが……。

【橋本 紡】リバーズ・エンド


「リバーズ・エンド」
著者:橋本 紡
イラスト:高野春彦
電撃文庫
bk1

 ある日突然届いた携帯メール。「あなたの街に海はありますか?」 これをきっかけにメールのやりとりを始める中学2年生の主人公。交流が活発になった頃、メール交換相手は偶然にも主人公の学校に転校してきて……。
 ある意味これまた王道なボーイミーツガールものですな。そのへんでは「最終兵器彼女」臭がするというのですが、ワタシはこのマンガを読んでいないので何とも言えないです。前半と後半の雰囲気ががらっと変わります。というか、変わり方があんまりな気がします。主人公とヒロイン以外の扱いがあまりにぞんざいと言う感じ。かなり壮大な背景をにおわせていますが、あまりに言葉少なでまだまだ状況把握もできず、これもやっぱりぞんざいかな。続き物ということですが、次の巻次第で評価が分かれるところかも。

【中村恵里加】ダブルブリッド7


「ダブルブリッド7」
著者:中村恵里加
イラスト:たけひと
電撃文庫
bk1

 もう7冊目まで来てしまいましたか。相変わらずのスプラッタぶりであり、安心して読めるシリーズです。今回の主役はくまさん。言葉少ない分、行動が所々ほほえましかったかな。そろそろ物語が収束に向かいかけている雰囲気だけど、最近触れられていない、かなり大きいであろう伏線が処理されていないので、実はまだまだ続くのかも。結構、コンスタントに新刊が出てくるので、多少長引いても問題ないかな。体壊さない程度にがんばっていただきたいものです。

【三枝零一】ウィザーズブレイン2 楽園の子供たち


「ウィザーズブレイン2 楽園の子供たち」
著者:三枝零一
イラスト:純 圭一
電撃文庫
bk1

 第7回ゲーム小説大賞銀賞受賞作の2作目。同期の中では一番遅かった続刊だったりする。
 情報を「魔法」として使うというちょっと変わった世界観の未来世界のお話。今回のネタもモルモット系かな? 「魔法」がらみの設定を忘れてしまっているせいでちょっと最初にとまどったけど、乗り始めてしまえばそんなに気にならないかな。ただ気になったのは、出てくるキャラクターたちかな。名前、性格、趣味などなど、所々にとあるコミックを彷彿とさせる部分が多い。前作にも一部そういう記述が見られたけど、こっちはそんなに気にならなかったんだけど、今回はちょっと露骨すぎて、ね。意図してやっているのか、はたまたたまたまなのか。あとがきを読む限り、ちょっとした意図もあるのかもしれないけど、たぶんそんなのに頼らなくてもおもしろく書けそうな感じなだけに、もったいない。
 泣き所もしっかりあるし、終わり方も綺麗だから、今後も期待はもてるかな。ただ、ともするとヒロインの背景がいつも同じパターンになる危険性も高いかも。

【茅田砂胡】レディー・ガンナーの大追跡(上)


「レディー・ガンナーの大追跡(上)」
著者:茅田砂胡
イラスト:草河遊也
角川スニーカー
bk1

 続刊が望まれて登場の「レディ・ガンナー」シリーズ二巻目。どうやら長い話らしく今回には(上)の文字が。そのせいだかなんだか、前半半分くらいは、この世界における社会通念の説明に費やされただけで、非常に退屈だったり。このシリーズ、9割方はキャサリンお嬢様のパワーでもっているので、崩壊寸前というか、本人が出てきた時にはどんなにほっとしたことか。
 今回はお供に「蛇」のヘンリー氏を連れての冒険旅行のようです。次(下なのか中なのかはわかりませんが)から本格的に動き始めるキャサリンお嬢様。そのパワーを楽しみにしましょう。

【佐藤ケイ】天国に涙はいらない5 逝き女五枚羽子板


「天国に涙はいらない5 逝き女五枚羽子板」
著者:佐藤ケイ
イラスト:さがのあおい
電撃文庫
bk1

 相も変わらずのハイペース刊行。なんだけど、今ひとつ盛り上がりに欠けるんだよなー。マンネリ化してきたというか。大きな一本道が背景に見えないせいで、一話完結短編集を読んでいるような感じ。しかも、いい加減萌えネタがうっとおしいかも。斬新な切り口のネタをいつまでも引きずっているのは、やはり危険と言うことなんだろうか。次、どうするかなー。

【甲田学人】Missing3 首くくりの物語


「Missing3 首くくりの物語」
著者:甲田学人
イラスト:翠川しん
電撃文庫
bk1

 これまた結構短いスパンでの新刊。なんだけど、今回前後編の前編。怖がらせるだけ怖がらせておいて、次に持ち越しです。
 文章がかなり読みやすくなってきている感じ。だけど、話半分のせいか、少し今回内容薄いかな。決着が付く次でどこまで盛り上げるのか、エサはもうだいたい撒かれているみたいなので、それをどうまとめていくのか、楽しみに待ちましょう。

2002年01月15日

侵蝕さるる


 徐々に、じょじょに風邪にやられていく今日この頃です。そろそろ風邪薬+栄養ドリンクドーピングでは抑えきれなくなってきてしまったようで、今日はちょっとノドが全体的に痛いです。鼻水も少しきつめ。そのため今日はすでに就寝体制(笑) なんだかぼーっとしてますので、さっさと寝ます。
 そんな中、今日はかなり久しぶりに弓具屋さんなんかに行ってみました。矢を一本と冬用の足袋を買いに。そう、本格的に弓を引こうかと、準備だけはしています。今度の週末にでも行こうかとたくらんではいるのですが、今まで幾度となく企画倒れになっているので、今回こそはまじめに行きたいところ。冗談抜きに最近運動不足ですからなー。さてさて、結果やいかに? 待て、次回(笑)

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2002年01月18日

人としてそれはどーか?


 NHK京都の立てこもり事件。最初に知ったのが、2ちゃんの、しかもライトノベル板、雑談スレ、というのは人としてどーか? 最近、何か事件が起こったことを、2ちゃんのレスで知って、「おぉ、こんなことが!」と思ってテレビをつけることが多くなった。やはりこれは人としてどーか? 逝ってよしですか? 人としてやばいよなー、やっぱり。
 今日、居候先のセンセに就職について聞かれた。どーしよーね。一応自分でやれることはやってみる方向でなんとかしよ。うん。

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2002年01月19日

ちかれたよー


 と、いうわけで、引いてまいりましたよ、弓。途中ちょこっと引いたこともあったけど、3年ぶりかな? 腕がヨレヨレで、20本くらいしか引けなかったけど、久しぶりで楽しかったっす。引いていなかったけど、体は覚えているようで、それなりに引けてみたり。そのせいかなんなのか、やっぱり同じところが皮むけたりして。いたかったー。今後も暇を見つけてちまちまと引こうかと。

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2002年01月21日

なんやねん!!


 籍のあるところと、実際に活動している研究室が異なる場合、普段は全然問題ない(ゼミに両方でなきゃないとか、飲み会が倍増とかはあるが)。だけど、ひとたび事務手続きが生じた瞬間に非常に面倒なことになるわけで。3月の頭にある、いわば一回目の中間審査みたいな発表会の登録処理でいろいろともたついてみたり。籍のある方のセンセと相談しないとと思っていたけど、忙しくってつかまらず、なんだかんだで締め切りすぎちゃうし。で、今日の夕方、プチ出張先で『たまたま』メールを見たら「登録処理するの?」なんてすっとぼけたメールが助手から入っていたりして。先々週の飲み会の時にちらっとはなしておいたから、センセの方で何とかしてくれているだろうと思っていた自分が甘かった。あわててセンセにお伺いを立てて、何とか登録はできたけど、どっと疲れた。
 こんなことが原因かなんかは知らないけど、仕事終えて、帰ってくる時には気分が凄くイライラ。思わず微妙に自棄食い&衝動買いしてみたり。どうも最近、籍のある方の助手の対応が、いちいち癪に障る。よくわかんないけど、ムキーーーーー!
 夕べ、うちに初めて「BadTrans」君がやってきた。以前、研究室の方で「メリッサ」君にはお目にかかっていたが、それ以来である。微妙にメールアドレスが違っていたので、送信者に確信が持てずにお知らせしなかったのだけど、今日、感染の旨のメールを受けた。これに懲りたらすなおにウィルス対策ソフト入れて、アウトルックエクスプレスなんて使うのやめましょうねー。にしても、ネット始めてもうすぐ6年だって言うのに、未だにウィルス来たのが2件だけっていうのも、なんだかねぇ。
 -今日の戦果-


    「竜が飛ばない日曜日」咲田哲宏/角川スニーカー


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2002年01月22日

がっつり衝動が……


 昨日の続き、というわけでもないんだけど、今日もまた衝動買いに走ってみた。
 -今日の戦果-


    「すべての雲は銀の…」村山由佳/講談社

    「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」滝本竜彦/角川書店

    「西の善き魔女2 秘密の花園」荻原規子/中央公論新社Cノベルス

    「シンフォニア グリーン」砦 葉月/電撃文庫

    「キノの旅 -the beautiful World-」時雨沢恵一/電撃文庫

    「木の国の媛 太陽の娘1」ひかわ玲子/徳間デュアル文庫

    「らじかるあんてぃ~く4 伝説の鍵とドジ妖精」清水文化/富士見ファンタジア文庫

 久しぶりにハードカバーを2冊ほど買ってみた。村山さんは前から読もうとは思っていた新刊。「ネガティブ~」は、学園小説大賞で特別賞を取ったという作品。たまたま見かけたので。新書の「西の善き魔女」は新モノ。実はこの週末に一巻目を(新書なのに)立ち読みしてしまって、続きが気になったので購入。電撃の二冊、前者は事前評価がそこそこなのでちょっとおためし。新人だし。後者はそれなりの高評価を得ているシリーズ。今更ながらに手に取ってみた。この二冊は陰と陽、なイメージらしい。後ろの二冊は新刊。デュアルの方は高田明美さんの絵に惹かれてしまいました。まあ、日本の神話伝承モノは好きだからよしとする。あんてぃ~くは既刊ももっているし。これだけ別店舗。最近、富士見の流通量が少なすぎて困る。やれやれ。
 これで、25日には笹本氏の打ち上げ旅行記が出るし、もちっと手を出したいモノもないこともないから、当分散財の日々かもな……。


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【咲田哲宏】竜が飛ばない日曜日


「竜が飛ばない日曜日」
著者:咲田哲宏
イラスト:DOW
角川スニーカー
bk1

 第四回角川学園小説大賞優秀賞受賞作品。
 方々での高評価がずっと頭の片隅にあって、先日書店に立ち寄った時にふと思い出して手に取ってみました。中身に関しては、ずーっと学校舞台のほのぼのストーリーとなぜか勝手に思いこんでいたせいで、全く逆のハードな出だしに非常にびっくりしましたよ。ちゃんと裏表紙読んでおくんだった。
 ギミックはちょっと多め。でもその多いギミックをちゃんと裁き切れているかな。小ネタ・小道具の使い方はよかったかも。最後の方の理由付けにはちょっと厳しい点もないことはないけど。中心二人の友人関係が強固に見えて微妙で、そこいらへんでまんまとミスディレクションされまくっているワタシ…。一つ気になるのは、最後落ち着いた時のカップリングか……。ひとり、背景が大きそうなのに触れられていないのがいるのが残念。この人の視点使って、短編でも作れそうかな。重い出だしの割には、「友情」に救われて気持ちのいい一冊になっているかも。

2002年01月26日

これからの日本の宇宙開発


 ちーわけで、笹本祐一著「宇宙へのパスポート」を本日無事捕獲し、早速読んだわけですが、ちょっと思ったことをつらつらと。
 まず、日本が劣っていると感じるのは、バックアップ体制でしょうか。H2の五号機、八号機、ISASのM5と連続の失敗の際のマスコミの論調。アレがすべてを物語っているような感じがします。日々の生活において、テレビの放送、国際電話、カーナビ、天気予報とちょっと見回しただけでも、宇宙に飛んでいる衛星のお世話になっていることがたくさんあります。そういう現実ではなく、気になるのはかかった金額だけ。経済大国が聞いてあきれる貧相な思考回路。知ろうとしない自分たちも悪いですが、そのアタリの情報を普及させない方にも非はあるのでしょう。幸いインターネットとブロードバンドの普及というやつで、それなりに情報は手に入れやすくなりましたが、統合した末の機関においてはもっともっと広報に力を入れていただきたいと思います。そして、「馬鹿な」マスコミのみなさまにも、もうちょっと建設的な報道をしてもらいたいとは思います。こっちはあまり期待しませんが。
 もう一つ、最近はいろんなところからも出てくるようにはなりましたが、「道が見えない」と言う点も大きいと思います。お国主導の技術開発のくせに、国を動かしている立場にいるはずの人たちから、打ち上げに失敗した時以外に宇宙の話が出てきたことはありません。ちらっとでもいいからどういう方向性をもって宇宙開発を行っていくのか、その方針を出してもらいたいモノです。インドや中国などのがんばっている国に置いてきぼりを食らってから慌てたって、時すでに遅し、です。今後、宇宙空間が広大な資源として利用されるようになることは間違いないと思いますし、そう信じています。いつまでも親離れしたくないのであれば見捨てるだけですが、そうでないなら少しは大きなことの一つや二つぶちあげてもらいたいモノです。……ま、無理か……。

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【砦 葉月】シンフォニアグリーン


「シンフォニアグリーン」
著者:砦 葉月
イラスト:秋津たいら
電撃文庫
bk1

 植物の探索・採取・運搬などを生業とするプラントハンター・リィンが遭遇する出来事をまとめた短編形式の一冊。この人は電撃大賞・敗者復活組。
 秋津さんの挿絵のせいか、全体的な色合いが淡色という印象を受ける。全体の流れも淡々と進む。これは主人公であるところのリィンの性分によるところが大きいだろうけど。生態系がちょっと変わっていて、生活のかなりの部分に植物が密接に関わっている世界観は何ともおもしろいけど、そのユニークな植物たちをイメージできるかどうかで楽しみ方が変わる、かな? 癖がなく読みやすい、言い換えれば盛り上がりに欠ける、という感じか。清涼飲料水みたいな一冊です。

【時雨沢恵一】キノの旅 -the Beautiful World-


「キノの旅 -the Beautiful World-」
著者:時雨沢恵一
イラスト:黒星紅白
電撃文庫
bk1

 キノとしゃべるバイクのエルメスが世界各地を旅する過程での出来事をまとめた短編形式のシリーズ。「シンフォニアグリーン」と全く同系統のものになる。ただこちらの印象は全体的にちょっと暗めかな。陰と陽、そんな感じ。色々な国が出てくるのだけど、どこか一つがぬきんでていて、それが原因でひどい国になってしまっている。そのなかで、キノが淡々と人に向けて銃を撃ったりすることで、微妙な緊張感があったり。局所的に読めばほのぼのしたところもあるのに、なぜか読後感は「重いモノ」を読んだ感じ。個人的にはシンフォニアグリーンのような明るい色合いの話が好きなので、こっちはどうも……。

2002年01月27日

【滝本竜彦】ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ


「ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ」
著者:滝本竜彦
イラスト:
角川書店
bk1

 第五回角川学園小説大賞特別賞受賞作。なぜかこれだけ大きめサイズの発行。
 ちょっとしたスリルを味わった夜の雪の帰り道で、退屈な高校生活を送っていた主人公君は、チェーンソー男と戦闘を繰り広げる美少女さんを目撃する。その場の勢いで関わりを持ってしまったが故に、退屈な生活にちょっとしたアクセントが加わるようになって……。
 と、まあ、日常と非日常の狭間を舞台にした青春モノとでも言いましょうか。なんだけど、ビミョーなんだよな、びみょー。普段、ワタシは本を読み始めるとほとんど読み終わるまでは一気に読んでしまうことが大半なのに、これは間に別の本が入り込み、読み終わるのに4日ほどかかった。これが示すにこの一冊は、浸れない。ワタシにとっては致命的。
 ネタとしては「深層心理の作り出した”イドの怪物”」扱いだろうと思うし、そのアタリはうまく処理していると思うけど、主人公とその文体がワタシにはいただけない。文中の高校生活に共感がもてると非常にハマる話になるのかも。うーん、いまひとつ。

2002年01月30日

【村山由佳】天使の卵


「天使の卵」
著者:村山由佳
イラスト:
集英社文庫
bk1

 村山由佳さんの「小説すばる」新人賞受賞作品だそうだ。中身はといえば、ばりばりの恋愛小説。でも、その辺にあるような、思わず赤面してしまうような内容でなく、出てくる人物は皆、何かしらの傷を負っていて、その傷故につらい恋を経験するような感じ。重いんですよ、話。でも、読んだ後は、何ともいえない気持ちにさせられてしまうんです。決して気分は悪くありません。のど(心)に突っかかった小骨がとれるような。そんなすっきりした気分になります。何でかよくわかんないんですけど。「天使の卵」は少なくともハッピーエンドではないし、またはっきりと結末が描かれているわけでもない。だけど、なんかこれで十分な感じする。共感しすぎるとちょっと痛いけど、十代、二十代の人間に支持されるのも当然と思えた。なにかしら感じるところがあるだろうから。「恋愛小説」って肩書きがついてしまうと、少し敬遠してしまうけど、ちらっと手に取ってみると少し心に余裕ができる……かもしれない。

【村山由佳】おいしいコーヒーの入れ方5 緑の午後


「おいしいコーヒーの入れ方5 緑の午後」
著者:村山由佳
イラスト:志田正重
集英社ジャンプJブックス
bk1

 「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズ(村山由佳)待望の新刊です。こっぱずかしくなりながらもついつい読んでしまう、少女漫画のような恋愛小説(笑) 表紙裏なんかのあらすじを読むと、すさまじい大波乱を予測させるような感じだったのですが、本編はそこまで激しくもなく、二人は二人のままなわけで。少しずつ少しずつ二人を取り巻く環境が変わりつつあって、次巻以降が期待大です。ただ、文句があるとすれば憎き中沢氏や、我らが尊敬するマスターなどがちっとも出てこなかったことでしょうか(笑) 今回は丈君のお話もありましたが、ぶっちゃけてしまえば本編よりこっちの短編の方がおもしろかったかな。これからは、どうもweb連載という形を取るようなので、これもまた期待大ですね。

【村山由佳】すべての雲は銀の…


「すべての雲は銀の…」
著者:村山由佳
イラスト:
講談社
bk1

 「あーもー、なんでこうこの人はこういうのを書くかなー!」というのが読後最初の感想。
 恋愛小説と分けられるモノでもないと思われる、村山女史のハードカバー。この人の世界は心に痛いのだけど奥底まで浸みる、そんな感じを受ける。……うーん、うまく表せないのがもどかしい。とにかく、「おいしいコーヒー」シリーズみたいにほんわかほんわかしているのもいいけど、やっぱりこういうのだよなぁ、と思う。よくわからないですね。ちょっとでも気になったら、とにかく一冊なんか読んでみてください。「天使の卵」とか「青のフェルマータ」とか文庫であるし。
 作中の雰囲気、というか農場。どう考えても村山女史の鴨川農園を彷彿とさせて、ここでは笑みがこぼれたり。そのあたりは海風通信の続報を楽しみに待ちましょう。