【茅田砂胡】海賊王の帰還 暁の天使達3
「海賊王の帰還 暁の天使達3」
著者:茅田砂胡
イラスト:鈴木理華
中公新社Cノベルスファンタジア
【bk1】
「看板に偽りあり」というのは言い過ぎか……。いずれにしても、題名から期待される人物が出るまで時間のかかることかかること。全体的にこのシリーズ、いままのでデルフィニア戦記および、スカーレットウィザードでちらりとにおわされてきた金・黒がらみのエピソードを、すべて克明に書き出すことだけを目的をしているように感じられますな。
中心に据えられた話が未だ見えずの状態なので、どうも話に一貫性が見えない。お気に入りのキャラクタが出てくることを純粋に楽しむのが基本になるか。とはいえ、キングと女王がらみの周辺人物同窓会なんかはほほえましいのだけれども、今回、すこし金の言い分が……。今までの作品が楽しめたのは、ひとえに変な王様や変な海賊や変な女王がいたおかげであることを痛感した訳です。最後の最後に、次への期待がもてそうな展開になったので、次次第かなぁ……。