【葉山透】「9S<ナインエス>」/電撃文庫
「9S<ナインエス>」
著者:葉山 透
イラスト:山本ヤマト →soybean
電撃文庫
一人の天才科学者が遺した「遺産」 そんな驚異の発明品のひとつが武装集団に占拠された。それを奪還すべく動き出したのは「遺産」専門の特殊部隊。その中には拘束具に包まれた少女……。
とかいう煽りなんで、特殊部隊モノかと思えば、主人公は全く別物で、肝心の部隊はただの雑魚。というのにちょっと「アレ?」と思ったモノの、中心の二人がなかなか動き軽快で気持ちいいスピードで駆け抜けられました。
某汚い顔な宝探しの人みたいに、超越系の科学兵器が出てくるが故の蘊蓄が色々と出てきますが、おそらくその辺のSFチックなギミックを考察しないと気が済まない人にはちょっと苦しいかも。ワタシなんかはその辺、「あーそーゆーもんねー」で流してしまうのであまり気になりませんが、ちょっと解説が危険な雰囲気があったのも確かなので。
人間ドラマは中心二人に関しては、よい感じ。納得。だけど、敵さん側と主人公の血縁の側の人たちの人間模様に関しては、ちょっと中途半端だったかな。
というわけで、フツーの一冊でした。