【近藤信義】ゆらゆらと揺れる海の彼方/電撃文庫
「ゆらゆらと揺れる海の彼方」
著者:近藤信義
イラスト:えびね
電撃文庫
カナンなる門を抜け、海獣を駆るは冥海。繰り広げられる合戦。二大国のはてなき戦……。
何とも壮大げな空想戦記物の雰囲気ですが、今後はこのまま戦記物でいくのか、創世ロマンorミステリーに進行するのか、楽しみな感じです。
造語を以て語られる世界観。元はSFだったと言うだけに、カナンを転移門に、海獣を戦艦に、冥海を宇宙空間に読み替えたならば、まるで銀英伝か星海かという感じですが、独自の世界観のおかげで、独特な雰囲気を持ったモノになっています。
中心におかれたキャラクタもなかなかに皆魅力的。軽いタッチの掛け合いが好きなワタシには好みの流れです。惜しむらくは、敵さんがステレオタイプのやられキャラが多めなことでしょうか。ただ、今後の期待株が一名ほどいるので、ここに期待しましょう。
まだ一巻目。分厚いですが話の種がまかれたところ。これからの話の展開を、楽しみに待てる一冊です。
…にしても、「何となれば…」ってので後藤隊長が浮かぶのはワタシだけだろうか…。