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2004年04月25日

【田中芳樹】黒蜘蛛島-薬師寺涼子の怪奇事件簿



黒蜘蛛島表紙
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「黒蜘蛛島-薬師寺涼子の怪奇事件簿」
著者:田中芳樹
イラスト:垣野内成美 →Official Web
カッパノベルス
 

 週末まで十日ばかしの出張に行っておりました。ウィークデイはほとんど深夜までのお仕事で、よれよれになって寝るだけでしたが、日曜はお休みだったので、そのときのリフレッシュ剤として物色して、手に取ったのがこれ。ショージキ、垣野内成美女史のイラストにふらふらと吸い寄せられたのです。

 成績優秀才色兼備さらにお金にも困らない天下無敵の警視庁キャリア組警視殿・泣く子も黙る「ドラまたリ……」 いやいや、「ドラよけお涼」とその忠実な椅子兼犬兼忠臣兼部下その他諸々の泉田警部補が巻き込まれるのか、引き寄せるのか、はたまた原因なのか、たびたび遭遇する人外な事件の数々。それをことごとく蹴散らしていくお涼に拍手喝采を浴びせる痛快伝奇アクション?

 ま、天下の田中芳樹の現代舞台などたばた劇ですから、その端々にいつもの毒が混入されるのはいつものこと。しかし、今回はいつもとちょっと違う。何てったって主役は天下無敵の女王様。笑い方だって腰に手を当て、胸張って、手の甲口に当てて「おーほっほっほ!」だし。そんなそこのけな人がたまに見せる一面に弱いんですなぁ。単純ですが。もともと美神令子みたいなのに弱いんです。そりゃツボです。さらにネタが世界各地の神話伝説に語られる怪物たちとくれば、メガテンスキーの血が騒ぐ。

 というわけで、一気に既刊を読破したわけです。そして、何てったって田中芳樹。続刊は期待せずに待つしかありません。普段はあまり言及しない恋愛模様を、田中芳樹はいかにまとめるのか? というか泉田君の不幸はいつまで続くのか? ま、のんびり待つとしましょう。

 久々に単純痛快娯楽ものを心の底から楽しんだ感じですな。

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