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2006年09月11日

F#10無事打ち上げ成功!

 天候不良のため,一日延期されましたが,本日1335,種子島宇宙センターよりH-IIA10号機(ペイロード:IGS光学2号) が打ち上げられ,無事衛星の分離が確認され,打ち上げが成功しました。

 今回ペイロードがIGSだったので事前情報がまるでなく,フライトシーケンスもちっともだったので, モニタしていてもあんまり盛り上がらず。とりあえず,推進系は無事に仕事を全うしたようなのでほっとしております。

 今年度は超重量級のETS-VIIIが次に控えていて,年が明けてまたIGSの今度はレーダー2号の打ち上げがあります。 自分が携わったのはとりあえずここまでなので,あと二発ですね。うまくいってくれることを祈るばかりです。

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2006年06月07日

次代に向かって迷走する日本の宇宙開発

 最近はすっかり顔出し仕事も増えてきて,認知されるようになってきた宇宙関係のライター・ 松浦晋也氏が日経BPでM-Vについて連載記事を書いていました。これに対し,感じたことをつらつらと。

 まず,個人的な意見として,M-Vは技術として維持しなくてはいけないものであり, 安易な流用による改造が悪い方向に行くであろうという松浦氏の意見には全く同意です。ただ,M-Vが内之浦でしか運用できない,「最適化」 したものであるからこれも維持すべき,という点は疑問ですが。これはさすがに使い勝手が悪すぎです。

 そして,開発力が衰えていることは確かだと思います。長い間,「開発」を行っていないのですから。が,「筋が悪い」設計なのは, 政治的思惑もあるかもしれませんが,「予算のためのプロジェクト」にしたためとも考えられます。どちらかといえば,こちらが主で, 政治的駆け引きがそれに乗っかってしまった,と思いたいです。

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2006年02月18日

H-IIA F#9打ち上げ成功!

2006年02月18日(土)15:27 種子島宇宙センターより,MTSAT-2を積んだH-IIA-2024がリフトオフ。打ち上げ28分後,衛星の分離を確認。打ち上げ成功!

はじめての一ヶ月の間に二発の打ち上げ。間を開けずに準備作業を行ったことで,作業上の不適合も少なかったようで,トラブル無く打ち上げ準備は進み,オンタイムでの打ち上げ,そして成功と相成りました。

すぐにM-Vの打ち上げがありますが,これも成功して,打ち上げラッシュの一年のスタートを見事に決めて行きたいところです。

さて,今日は祝杯,行くのかなぁ…?

2006年01月24日

H-IIA8号機 打ち上げ成功

 2006年1月24日10:33 種子島宇宙センターよりALOS(愛称:だいち)を乗せたH-IIAロケット8号機リフトオフ。 一段,二段エンジンの燃焼は正常で,無事暫定軌道に衛星を分離。分離された衛星の太陽電池パネル展開を確認。打ち上げは成功。

 職場で雁首そろえてモニタリング。実にスムーズな打ち上げでした。長ノズルも無事フライト実証が取れたご様子。 来年度にかけての5発の最初の一発目。とりあえずうまくいってよかったです。

 同一ロケット八機打ち上げたのは初めて。さて,次は来月のMTSAT-2。これで号機としても初めての9号機。 これも成功させて勢いに乗りたいところ。

 いずれにしても,二日連続徹夜作業だった打ち上げ隊の皆様,お疲れ様でした。

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2005年11月26日

「はやぶさ(MUSES-C)」,サンプリング成功の見通し

 昨日より始まった小惑星イトカワへの降下シークエンスののち,惑星表面に着陸,サンプル回収のための弾丸が撃たれ, 離陸したことが確認された。ほぼ確実に小惑星の土壌サンプルが回収できたとのこと。

 素直に喜ばしく,そしていつものごとくの運用チームの文字通り不休の作業,お疲れ様でした。

 「これぞ宇宙探査!」というような話が,今回はリアルタイムで得られ,非常に臨場感を持って見られました。「のぞみ」 の運用に関してもそうでしたが,惑星間航行をするような探査機の運用というのは,臨機応変とか,冷静さとか,極限状態のなかで, 如何に日々進化していくチームの能力を即座に引き出し実行するかということがすべてのように感じます。「のぞみ」での激闘と, 今回のリハーサル,第一回着陸で積まれた経験値が,着実に身になって今回の成功につながったのだと思います。

 ロケットの打ち上げは,目的に達するための最初の関門でしかなく,そのあとに成果を得るための関門がたくさんあり, ただのスタートでしかないんだということが実感できる今回のようなミッションを,今後も日本という国で実施していかなければ, いつまでたっても人の眼は宙に向かないと思います。そして,今回のこの広報体制は,それに対し,大きな役割を果たせたと思います。 今後より充実した体制を構築できるように期待しています。とはいえ,不休の更新作業,お疲れ様でした。そして,ありがとうございました。

 さて,次はALOSの打ち上げだ。こっちも負けていられないぞ……。

2005年10月12日

中国 神舟6号打ち上げ成功

 中国が,再び有人宇宙船の打ち上げに成功した。

 着々と前へと進んでいく隣国・中国。すっかり停滞してしまって,指をくわえてみている日本。5年後,10年後,空の上の勢力図に「Japan」の文字が残っているか,不安はいっぱい。

 大本営は相変わらず不景気。「次」の話は相変わらず出てこない。いや,出かけたけれどしおれてしまった。

 個人的に,ここ5年が日本の宇宙開発の峠だと勝手に思っている。今動かなければ,おそらく再び「LE-7を開発」する羽目になる。

 危機感はある。がんばって芽を出し,育てなければいけない。

 10年後の夢のために。

2005年07月27日

STS-114 Discovery Lift Off!!

 無事,あがりました。とりあえず,最初の山を越えました。

 実家だったので,ケーブルのCNNで見ていたのですが,アナウンサーが「Lift Off!」の後, 「これがアメリカの新しい旅の始まりです。月へ,火星へ,そしてその先への」といっていたのが,ちょっと印象的。そして, NHKの映像はCNNとは比べものにならないくらいにきれいでびっくり。天気がよかったせいもあって, おそらくはハイビジョンカメラで撮っているであろう映像が見事なこと。さらに印象的だったのは, 今回の安全対策として追加された燃料タンクのモニタの映像。オービターの翼と地球の大気層の青が何ともいえず。また, 分離の瞬間もなんだか感動的でした。

 これで次は9月か……。ALOSがのびたから,シャトルだけになるのかな……。

2005年05月10日

第六回ロケット祭り開催

 6/3(金)にロフトプラスワンでまたやるらしい。今回のゲストはペンシルやベビーロケットの開発を行った垣見氏と,前回に引き続いての林氏。とのことだけど,また出張でいけないんだなぁ。結局ロケット祭りは一回も行けていないか。ちくしょー。

 来週から,9月くらいまで角田・相生・種子島とたらい回しな雰囲気です。しばらく東京には寄りつかないかもしれません。忙しいのはいいことですが,体壊さないようにしないとなぁ。

 ちなみに,垣見氏のロケット開発のコメントは,今JAXAのページで見られます。
 ここを押して

2005年04月10日

JAXA長期ビジョン-JAXA 2025-

 かねてより検討されていた,今後のJAXAが目指すべきビジョンの詳細が4/6,宇宙開発委員会に報告され,公開された。

 まだまだひよっことはいえ,宇宙機器産業に携わる者として,稚拙ながらも所感を記しておきたいと思う。

 本報告書に示されたビジョンの幹は次の五つ。
・地球観測・測位等の宇宙利用システム
・惑星・ブラックホール等の宇宙科学探査
・宇宙へ出るための手段である宇宙輸送システム
・企業が独力で拡大できるレベルを目指す宇宙産業の成長
・今後の基幹産業としたい航空輸送システム

 全体として,非常に広範囲にわたる内容となっているが,しかし,これらはすべてJAXAとして遂行していくべきプロジェクトであることも確か。

まず,人工衛星を活用した宇宙利用システムの構築。これについては,現状を発展させていくことでそれなりの成果は得られると思われる。今後の課題は,そうやって取得・蓄積された貴重なデータを如何に有効活用できるシステムを作り上げていくか,という点になるか。最近各地で続く巨大地震や異常気象に対する情報源として,日本だけでなく,アジア全域に対して有効なツールとなるはず。今の日本が周辺国に対し,責任ある事業として推進し,維持すべきものと考えられる。

 宇宙科学探査はこれまでも小さい規模でも大きな成果を上げてきている。また,先進的な試みも多くされてきた。ただ,これは旧ISASだからこそできた面が大きいように思う。今後は,今までの挑戦的な進め方に,旧NASDAの巨大プロジェクトで培ったマネジメント技術をうまく融合できるかどうかが問題かと。

 次の宇宙輸送システム。結局これが一番大きいのか。まずは,今後も基幹ロケットしてH-IIAを推進する。とにかくこれを継続して打ち上げ,実績を積んですべての土台にする。HTVの打ち上げも,その貴重な機会となる。現在,ISS計画を通して進めている有人計画については,ぶちあげすぎの感もある。が,宇宙利用として次をみれば避けては通れない。言わなくなれば進められない。常にそこを見据えて,一歩一歩進めていくしかないのではないかと思う。この国では,60年代のようなことはできないから。

 我が身のことになってしまう宇宙産業の成長。国産でロケット開発が始まってもう,かなりの時間が経った。H-IIの開発開始からも二十年近く。日本の宇宙開発初期に携わった人たちが次々と一線を退き,あとには新規の開発を行ったことのない若手が残りつつある。今,次を始めなければ,技術の空白期間が生じる懸念が強い。
 前項の宇宙輸送システムの構築を発展させていくためには,ある程度の事業規模がコンスタントに確保できる状態でないと,次のステップに進む体力を持てない。有人計画を進めるのも,それを支える土台を構築できないと,すぐに倒れてしまう。そして,有人を進めるには,倒れること,転ぶことはきっと,日本という国では「許されない」でしょう。

 航空技術の確立。これに関しては,旧NALが進めてきたが,今ひとつ。民間が欧米のメーカーと共同開発で技術を蓄積していくのか,国が主導して一気に進めるのか,明確にしてこなかったのが大きな原因だろう。ここではっきりとさせる必要もあるだろう。

 これらの技術面での幹と同じレベルで,教育と広報にも対していかなくてはいけない。最近はJAXAもがんばっているが,どうしてもマスコミには埋もれてしまう。今回のこのビジョンについても,もっと声高に発表し,議論を起こすようにしないと推進は難しい。そしてなによりも,政策の不在が大きい。
 仮にも「科学技術創造立国」を掲げるのならば,少しくらいは国のトップからその方針を聞かせていただきたい。ロケットの打ち上げに成功して,所管官庁のトップが「成功おめでとうございます」と他人事のように言うようでは,到底技術で国を立てることなどできないのではないか。もうすこし,理系にも興味を持っていただきたい。

 つらつらと書いてみたが,なんにしても当事者の一人として,今後の航空宇宙分野の発展に貢献できるよう,発憤していきたいと思う。

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2005年04月06日

JAXAの描く青写真

 かねてより報道があったJAXAの長期ビジョンが宇宙開発委員会に報告され,公開されました。

 プレスリリース

 まだ,詳しい内容は読めていませんが,国の航空宇宙技術開発推進機関として,しっかりとした考えを持って事業をすすめていってもらいたいものです。まずはなにより,国の明確な政策を起こすための活動をしていただきたく。

 今後,詳細を読んだ後,もうすこしふれたいと思います。

2005年03月03日

立川理事長,来る

 昨日突然,立川理事長がうちにくるとの連絡あり,ばたばたと準備をする。年度末で忙しいのに,急な話でメーワクだったり。

 何はともあれ,打ち上げ成功への尽力ありがとうございますな挨拶と,とにかく信頼性をあげるために打ち上げ回数を増やす,できればあげられるだけあげたい,だけど人場所金の関係でとりあえず年三発をベースとする,20年後に関連産業で今の六倍の市場にする,等々のお話を聞く。

 ケータイ産業の市場は10兆円。対するうちう産業は4000億円だそうです。あまりに悲しい対比です。でもそれが現実。産業として何とかしたい,そんなお話でした。

2005年02月26日

H-IIA F#7 リフトオフ

 2/26 18:25 H-IIA F#7 リフトオフ

 一段LE-7A・二段LE-5B二回の燃焼は無事終了。

 とりあえず、ホッ。

(2/27:追記)
 衛星の分離,二段の再々着火実験データ取得も無事終了。ロケットとしては成功です。
 昨夜は祝杯でパーッとやりました。

2005年02月25日

打ち上げ前夜

 H-IIA F#7打ち上げ前夜。とはいえ、特にやることもなく、職場もみんな出払っていてかなり閑散としていたり。

 明日は、居残り組で職場でモニタ。うまくいけばそのまま祝杯上げに行くと言うことで。

 突然に打ち上げのある週の技術試験を止めて不評の某理事が、種で神社お参り。この期に及んじゃ神頼みしか残ってないか。

 機体の移動は打ち上げの13時間前。早朝の四時頃だそうです。

 そして、宇宙作家クラブの取材レポートが動き出しています。今回は笹本氏は行っているのだろうか……。

2005年02月22日

F#7打ち上げ延期

 今週末は,種子島方面の天候がかなり荒れるようで,本日,2/24の打ち上げ延期が決まりました。純粋にお天気の都合だそうですが。

 今日移動のひと多かっただろうに……。タイミングの悪い……。

 詳しい日程は未定なれど,天候が回復するであろう2/26以降に延期,ということで。気象衛星あげるのに,天気で失敗するわけにはいかんわな。

2005年02月07日

H-IIA F#7 F-0極低温点検終了

 2/24に打ち上げ予定のRTF#1の打ち上げ準備作業が着々と進んでいます。打ち上げ前のリハーサル、極低温点検も無事終了したようです。

 打ち上げまであと二週間とちょっと。再びVABに戻った機体に衛星段を取り付ける作業に移ることになるでしょう。

 ようやくあがるひまわり後継機。今回は後に予備機となるMTSAT-2が控えているとはいえ、やはり復帰の初号機、きっちりあげたいものです。

 今回の打ち上げはRSC仕切だからか、カウントダウンページがRSCにあります。作りが一緒だから、作っているところは一緒だと思いますが。
 MTSAT-1Rカウントダウン
 そして案の定情報は遅かったり。
 それにしても、いままでちっともこんなことやってこなかったのに、民間移管目前のこの時期に表に出ようとするのは、せめて存在感をアピールしたいがため?

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