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2004年12月22日

ライブドア、有人宇宙飛行をぶちあげる

ライブドアが有人宇宙飛行に“新規参入”~堀江社長「早ければ3年以内に」

 遅ればせながら、リアクションをば。

 ぶちあげたのが“あの”堀江社長ということで、賛否両論あるかもしれないが、そんな今だからこそ、こんな声高に言ってもらえたことに大きな意味があると思う。

 今の国の方針では、日本の宇宙開発は、廃れることはあっても前進することはむずかしいと感じられます。そこに、民間のエネルギーを注入されるのは悪いことではないでしょう。まずは何より、「失敗」だけをねたにして、ネガティブに論じるのではなく、そもそも誰もが一度はあこがれる、「宇宙へいく」という夢をもう一度思い出すきっかけを得られればよいのでは。

 夢を見る。
 空想する。

 人の好奇心が止まらないように、常に上を見ていきたいものです。

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2004年11月27日

歴史を作ってきた人たちの素顔,かな?

 大学でお世話になった先生が,えらい賞を受賞された。今の所属されているところで,ささやかながらの祝賀会が開かれた。そこに,会社として今お世話になっているし,大学でもお世話になっているワタシがおまけのように出席してきた。
 もうご隠居のような立場の先生なので,そこに集まるのは必然的にいろんなところの偉い人たち。そこにワタシのような若造がちょろりとおじゃまするわけで。
 ……そんな場で,何を話せというのだ。
 しかし,そこはお酒の入る場ですから,各種アルコールがものすごい勢いで消費されるに従い,皆さん口の潤滑はよくなる一方。同席されている比較的若手の(といっても中堅どころばかりだけど)知り合いの方に紹介してもらいつつ,いろいろと勉強になるお話を聞かせていただいた。こんな場でもないと,同業他社の偉い人となんて話せないですから。
 最近は,こういう場が減ってきて,どうも互いのコミュニケーションが足りなくなってきている様子。積極的に腹割って,もっと話をしましょう,とそんな話。

 しかし,プロ○ェクト○に出てくるような人たちも,結局酒が入ればただの酔っぱらいなわけで。実は自分,歴史を目の前にしているのかなぁ,なんて漠然と感じたりしてみる。

2004年11月06日

衛星の「空白」と宇宙政策

 ずいぶんと久々です。先月に三日ばかし戻り,今回も三日ばかし戻り,再びお出かけです。せわしないです。気がついたら,首都圏は秋も深まっていて,ちょっとした時間旅行名気分です。ついこの間までえらい暑かった気がしたんですが……。

 今日の読売新聞紙面の解説面に,昨今の災害に対して有効なはずの衛星がうまく機能していない,というかそもそも宇宙に使える衛星がないという現実を憂いているという記事がありました。

 まず一番の気象衛星は,1999年にあげるはずのMTSATは8号機事故で消え,MTSAT-1Rは衛星メーカーの倒産で遅れに遅れ,ようやっと日本にきたかと思えば6号機の失敗で,なかなかあげられない。陸域観測衛星(ALOS)もところてん式に遅れている。確かに,使える衛星がないような状況です。

 紙面を読むと,この「空白」を宇宙開発に携わる人間は認識しているのか,「技術志向」が強すぎて現実が見えていないのか,もっと現実を見てください,そんな風に書いてあるように思えます。

 その状況を一番気にしているのは当の宇宙開発関係者だと思っています。誰もが気にしていて,次にあげることになるロケット(ペイロードはMTSAT-1R)は早く上げなくてはいけない。そして失敗は出来ない。そのことを常に頭に置いて仕事をしているはずです。

 わかっていないのは,その実作業者ではなく,それを動かすべき政治だと,そしてマスコミの煽り方だと,盛大に文句を言いたい。

 今の打ち上げ再開に向けた作業は非常にびくびくしながら進んでいます。万全を期すように,「絶対に」失敗しないように。でも,作業の期日は決まっています。急がなくてはいけない。だけど手抜かりがあってはいけない。そんなプレッシャーの中での作業であることをもう少し報道に取り入れてほしいモノです。

2004年08月27日

有人宇宙飛行への道筋

 「できるということを考える」(松浦晋也のL/D)より,総合科学技術会議・宇宙開発利用専門調査会での報告書案が出ていたので,がんばって読んでみた。

 前にも一回文科省の資料を入手して読んだ記憶があるけれども,何でこー官庁の文章っつーのはわかりにくいんだろうか……。具体例が何もなく,どうも抽象的な言い回しばかりで,結局何が言いたいのかさっぱり。あれを一回で理解するようになるには特殊な技能が必要な気がします。

 それはともかく,この報告書案に,ついこの間「やらない」と言っていたはずの有人宇宙開発について言及されています。

 「ここ10年はやらないけど,20~30年後にその『準備』をすすめる」

 だそうです。

 中国に先を越され,あっさり追い抜かれてあわてて持ち出した話題ですが,正直,文面に出してみただけで,やる気のかけらも見られないのが,もう……。

 そんなアドバルーンをブチあげるよりも,とりあえず,宇宙開発産業が生き延びられる打ち上げ機会のコンスタントな確保に努めてほしいと,そんな目先のことしか見えなくなりつつあったり。

2004年08月22日

スペーススクール同窓会

 M1からM2に上がる春に参加した当時のNASDAが主催の「スペーススクール」の合同同窓会がありました。ワタシは第四期参加で、今回は第三期とこの春に参加した第五期の人間で合同開催となりました。総勢20名強。場所はお台場科学未来館でした。

 一応、スクールから戻ってMLを作ったモノの、すでに二年がたち、だんだんとメールの量が減り、疎遠になりつつあったところだったので、今後、再び活発にするよいきっかけになりそうです。第三期の方も同様の悩みを抱えていたようですし。

 同窓会は、持ち寄った写真をスライドショーで見たり、自己紹介をして、また個人での活動の紹介、そしてスペーススクールに対して何かできないのか、同窓会の活動を今後どうしようか、といった議論まで5時間近くにわたっての意見交換を行いました。

 やっぱりみんなそれぞれ何かをしている、また何かをしようとがんばっているわけで、ワタシにもいい刺激になりました。

 第三期の方がその活動の一環として、ページを作っているそうです。
 Inter Blue

 今回の同窓会のメンバーでMLを作るそうなので、なんとか継続的な活動ができるよう、微力を尽くしたいと思います。

2004年06月12日

GXロケット・燃ゆ?

 ロケットエンジン、試験中に火災…宮城のJAXA施設(読売)

 おそらく、旧NAL角田の高空燃焼試験設備でやっていたGX二段燃焼系のサブスケール試験だと思われますが。幸いにして試験場が吹っ飛ぶようなことにはならなかったようです。いままで旧NASDA側では試験場がふっとんだことがあったそうですが、ついに旧NAL側でも新たな歴史が……。

 通報が遅れたなんて毎日や共同に載ってますが、単純に異常事態になれていないためだっただけと思われます。こんなこと、長らくなかっただろうからなぁ……。

 それにしても、GXは大丈夫なんだろうか……。

2004年05月12日

発掘 松浦氏のBLOG

 日経Biztech等でしばしば宇宙開発についての記事を書いているノンフィクションライターの松浦晋也氏のBlogを、野尻ボード経由で発見。

 松浦晋也のL/D

 Niftyのココログを使っているので、RSSリーダーも使えるのはうれしいかも。今後は巡回ルートに入れたいと思います。

2004年03月19日

やれやれ一段落

 今日はでっかい会議。このところ、これの準備でずっと忙しかったのだ。いろいろと残りのアクションはあるものの、何はともあれこれで一段落。というわけで、お客さん含めてお疲れ様の懇親会をやったり。
 会議中は進行に忙しくて、お知り合いやらお世話になっている人とろくに会話もできませんでしたが、お酒も入ったおかげもあり、ちょろちょろとお話しする。今回はワタシも説明を仰せつかったし、少しなりとも原稿もあげたのでそれなりに今まで話したことのない人と話しました。それにしても、ほんとにこの人たちはフラットです。みんな偉い人のはずなのに、ワタシみたいなのと馬鹿話で盛り上がるっつーのは……。
 いずれにしても、少しはこの仕事の一員になれた感じのした日。いろいろと思うところもあったし、肥やしにできたかもしれない貴重なお話も伺えました。

 さて、明日は恩師の退官パーティのため、仙台です。蒼インプ君は無事退院できるのでしょうか。ディーラさんから何の連絡もないんですけどねぇ……

2004年01月29日

日本独自の有人宇宙計画へ!?

 「有人宇宙飛行」目指す…政府、宇宙開発政策を見直し(読売新聞)

 さすがに中国は驚異に感じられたらしい。お金がかかるので、慎重論がでるのは当然だけれども、議論すら放棄するのはいただけない。是非是非活発な議論を尽くして、前向きな結論を得てほしいモノ。それがワタシの明日の生活の糧になるわけだし……。

2004年01月19日

H-IIAF#6-とりあえず欠片発見とのこと

 新聞報道より→ここを押して(読売新聞)

 まだ問題のノズルは発見ならずのようですが、近辺には破片がたくさん転がっているようなので、一日も早いノズル発見の報がもたらされることを期待します。

 これに合わせるように、止まっていたLE-5BのHATS試験も再開され(JAXAプレスリリース→ここを押して、徐々に動き始めたようです。

 先日の米大統領のスピーチと、スピリット成功のおかげでにわかにまた宇宙へ視線が動きつつあるようですから、ここで日本も中国に遅れることなく何とか動いていきたいところですが。このブッシュ大統領の宇宙開発計画については、原文をがんばって読み砕いて近いうちに触れたいところです。とりあえずリンクまで→ここを押して ちなみに、今NASAのサイト、おもしろいことになってますよ。

2003年11月30日

H-IIA F#6 指令破壊

 2003年11月29日13:33に種子島宇宙センターからH-IIA6号機(2024型、ペイロード:IGS*2)が打ち上げられました。台風の接近が心配されたどんよりしたお天気でしたが、風もなく、打ち上げは滞りなく行ったようにおもえましたが、13時43分53秒、打ち上げから10分53秒後ミッションの達成可能性なしとの判断から、指令破壊されました。
 現時点でわかっている原因として、二本ついている個体ロケットブースターSRB-Aのうちの一本が分離しきれず、その重量のために一段目、二段目エンジンの燃焼でも軌道まで速度を上げることができなくなったようです。SRB-Aの燃料なし重量は10t。厳密に質量に支配されるロケットにはこのデッドウェイトは大きすぎる。
 この失敗に対する新聞・テレビ等マスコミ各社の反応はいつものごとく。

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2003年10月19日

笹本祐一「宇宙へのパスポート2」発売記念トークセッション

20031018_01.jpg

 つーわけで、2ちゃんねる経由というのがアレですが、そんな感じのイベントが池袋ジュンク堂であったので、喜び勇んで行ってきたわけです。だって、先月末のロフトのイベント、出張で行けなかったし。写真中央右側が笹本氏で、左側が松浦氏。さらに左手が朝日ソノラマ・I編集長。

 19時開始予定が、予約者が全部来なかったがためのキャンセル待ち人員の処理に手間取ったせいで、少し遅れて開始。先頭中央のおじさんが、「時間通りに始めなさいよ、みんな予定があるんだから」となぜか一人でキレておられましたが、何だったんでしょう……。トークは笹本氏が中心で、たまに松浦氏のつっこみが入るという感じで進行。朝日ソノラマの編集長は最初だけ少ししゃべって、たまに苦笑いしつつコメント入れたくらいでした。

 そもそもこの「宇宙へのパスポート」はアメリカ西海岸への笹本氏、あさりよしとお氏、豊島ゆーさく氏、ダニエル氏の航空宇宙産業観光珍道中日記が始まりだったとか。これに関しては、以前ネットで公開されていた時に読んでいて、かなり爆笑した記憶があります。ソノラマの編集長も、おもしろいけどこれは出すところがない、と処置に困っていたようで。それならということで、笹本氏の趣味で始めたロケット打ち上げ見学記と一緒にまとめよう、ということになったそうで。

 最初に話題に上ったのは、やっぱり中国の「神舟」。「きれいにあがったけど、やっぱりアレは無事に帰ってきてナンボだし…」なんて話をしていたらしい。松浦氏いわく「遠足は家に着くまでが遠足です」ってな感じか。「神舟」の打ち上げに使った長征2Fは燃料にヒドラジン、酸化剤に四酸化二窒素っつー毒物を使用していて、あがっていくときの噴射炎が液酸/液水とは違ってかなり褐色だったのは、ヒドラジンよりも四酸化二窒素の色らしい。猛毒を燃料にしたロケットで人をあげるなんざ、さすが中国。ほかにヒドラジン/四酸化二窒素のロケットにロシアのプロトンがあるけれども、これでは人はあげてません。打ち上げ時のGが8を超えるんで、つぶれっちまうってことらしい。

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2003年09月02日

王立科学博物館【食玩】

 密かに集めている王立科学博物館
 普段あんまり食玩とかには興味を持たないんですが、まぁ、宇宙を志す人間ですから、手を出さないわけにも行かないかと思って。で、現況。

 購入:13個。
1.スプートニク・ショック *1
2.月世界 *2
3.この10年以内に *3
4.赤いロボット *2
5.ロケットの夏 *2
6.人類、月に立つ なし
7.ザ・ライト・スタッフ *2
8.サイエンス・フィクション *1
9.フォン・ブラウンの夢 なし

 というわけで、後二つ。シークレットがまだ出ていないというのが厳しいか。

H-IIA F#6 F-0極低温試験無事終了

 9/1午前、6号機の打ち上げリハーサル試験、F-0極低温試験が無事終了しました。とりあえず、これで後は22日の打ち上げに向けての最終準備にはいるわけですね。つか、IGS、あると種子島がにぎやかになるからさっさとあげてしまってくださいw

 あと、こんなん見つけたのでワタシめもリンク
 ケネディさんの「この十年以内に」スピーチ全文(だと思う)

2003年03月06日

自らの可能性-毛利衛氏講演会

 本日、ガッコで宇宙飛行士・毛利衛氏の講演会があった。一応客員教授という立場らしいので(今回初耳)、大学院向けの講義という建前だったようだけど。本来なら先月あるはずだったこの講演会、前々日にコロンビアの事故が起こってしまったため、延期になっていたものだ。で、研究所の一番大きな会議室で行われた講演会、立ち見がごっそりの超満員。みんな楽しみにしていたらしい。だけど、使われるはずだった映像資料、よくあるプロジェクターとノートパソコンの接続がうまくいかずに、全部は使えなかった。まったく、だからソ○ータイマーのあるPCは……

 演題は「宇宙実験の科学技術」ということだったのだけど、うーん……。毛利氏、実はあんまりお話得意でない? 元は北海道大学の助教授ということなので、教壇に立つのは慣れていると思うのだけど、あまり惹かれる話でもなかったかなぁ。映像のトラブルのせいだったのか、ちょっと話の流れがわかりにくく感じたり。でも、言わんとするところは、「自らの可能性を、自ら制限する事なかれ」ってことかな。

 コロンビアの事故が起こったことで、宇宙開発先進国だと思われていた日本が、実は何も国際的に貢献できないことが浮き彫りにされたり、犠牲を出してまで宇宙にでることに意味があるのかという疑問とか、ほかにもいろいろと問題が論じられるようになったけれども、人が宇宙に出られるようになった、ということは一つの可能性が広がったと言うことで、そこを開拓しないと種としての進歩は望めない。ちょっと宗教的、哲学的な考え方が強くなってしまうけれども、でも確かにそうなんだろうなと思う。

 人が、それぞれの立場で、勉強し、仕事をし、研究をし、なにがしかの新しいことを生み出していく。それは、自分だけのものではなく、実は社会全体として、何か新しい可能性を開いている、ということを常に自覚しながら生活していくことが必要ではなかろうか。そういう話。

 宇宙空間、というのは地球上ではなかなか達することのできない「新しい場」な訳で、今、そこを活用する方法がないから使う必要がない、ではなくて、その新しい場で何ができるのかを考えていく必要があるのではないかな、と。どうしても新しいことをするにはなにがしかの犠牲が生じてしまうことは避けられないことで、それを乗り越えることでまた新しい可能性が広がっていくんじゃないか、そういう気概を忘れたら、それで進歩は止まってしまう、そういうことだと思う。

 宇宙空間から地球を見た人は、多かれ少なかれカルチャーショックを受け、なにがしかの感銘を受けるという。そんな丸い一つの星で、下らないメンツをかけて、下らない争いが続いている。「導きの星」の三巻目、互いに争っていた国の首脳を軌道にあげて地球を見せたら和平が成ったという場面があった。世界の警察官と、枢軸と名指しされた将軍様他を軌道上にあげると、自分たちがいかに愚か者なのかを実感できるかもしれませんね。

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