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【樹川さとみ】楽園の魔女たち~楽園の食卓(前編)~



楽園の魔女たち―楽園の食卓〈前編〉表紙


「楽園の魔女たち~楽園の食卓(前編)~」
著者:樹川さとみ
イラスト:むっちりむうにい
集英社コバルト文庫
 

 今回もまた前後編。そして後一冊でシリーズ終了らしく、事態は一気に大事の様相を……。

 前作が番外のような話だったので、冒頭、マリアの使い魔が何者かわからなかったり。ま、そんな細かいことはさておいて、何より気になるのはファリス君の行く末でしょう。いや、サラ嬢の方もなかなかに大変なことになっているようですが、こちらはあまりほほえましさがないので、一押しはファリス君! つか、がんばれ少佐! むうにい女史には「ファリス・ドレスを着る!」全身冒頭カラー折り込みを書いて頂きたかった……。

 お師匠様関連の伏線が放っておかれそうな感じはしますが、姫様とマッドサイエンティストと男装の麗人が幸せになってくれればそれで満足です。幼妻は……、ま、良しとする。

【茅田砂胡】天使の舞踏会 暁の天使たち6



天使の舞闘会―暁の天使たち〈6〉表紙


「天使の舞踏会 暁の天使たち6」
著者:茅田砂胡
イラスト:鈴木理華 →梟の森
中央公論新社Cノベルスファンタジア
 

 世紀の大怪獣、一堂に会す!

 六冊費やして、やったことは結局次への前ふりだけでした。中心で話を引っ張ってくれる新人がいなかったことが一番の敗因でしょうか。確かに、今まで主役を張った人たちが再び登場はうれしいところですが、それがメインになってしまっては……。すべてはあまりに常識人過ぎた「ちびすけ」のせいか。

 なにはともあれ、広げ始めた風呂敷、次のシリーズはしっかり軸を作ってがんばって納めて頂きたいモノです。

2003年09月16日

【葉山透】「9S<ナインエス>」/電撃文庫



9S(ナインエス)表紙


「9S<ナインエス>」
著者:葉山 透
イラスト:山本ヤマト →soybean
電撃文庫
 

 一人の天才科学者が遺した「遺産」 そんな驚異の発明品のひとつが武装集団に占拠された。それを奪還すべく動き出したのは「遺産」専門の特殊部隊。その中には拘束具に包まれた少女……。

 とかいう煽りなんで、特殊部隊モノかと思えば、主人公は全く別物で、肝心の部隊はただの雑魚。というのにちょっと「アレ?」と思ったモノの、中心の二人がなかなか動き軽快で気持ちいいスピードで駆け抜けられました。

 某汚い顔な宝探しの人みたいに、超越系の科学兵器が出てくるが故の蘊蓄が色々と出てきますが、おそらくその辺のSFチックなギミックを考察しないと気が済まない人にはちょっと苦しいかも。ワタシなんかはその辺、「あーそーゆーもんねー」で流してしまうのであまり気になりませんが、ちょっと解説が危険な雰囲気があったのも確かなので。

 人間ドラマは中心二人に関しては、よい感じ。納得。だけど、敵さん側と主人公の血縁の側の人たちの人間模様に関しては、ちょっと中途半端だったかな。

 というわけで、フツーの一冊でした。

2003年09月05日

【小川一水】第六大陸 2



第六大陸〈2〉表紙


「第六大陸 2」
著者:小川一水 →小川遊水池
イラスト:幸村 誠
ハヤカワ文庫
 

 月面開発SFの完結編。実に刺激を受ける遠すぎず近すぎずなお話でした。
 現実的にはいくつか、実現にブレイクスルーが必要なものがありますが、現在の膠着した世界の宇宙開発の動向に対して、こんな風に民間からカンフル剤が注入されるような事態をワタシも望みます。
 なにせ月開発なんて大きな話だけに、かかる年数もそれなりで、それをたった二巻でまとめるために、かなりはしょってしまっているのが残念。でも、あまり長いとだらけてしまうことを考えるとちょうどいいのかも。
 小川氏の描くキャラクターは、みんながみんなプロフェッショナル「らしさ」をもっているから、脇がいなくてみんな主役のように感じられて大好き。話も適度に軽く、SFもしてるし、早川だけど取っつきやすいんじゃないかな。
 こういうものが先の宇宙開発につながっていくことを願うとともに、自分もがんばらねばと思うわけですな。

2003年07月22日

腐女子への第一歩? 「ここはグリーンウッド」

 来週から夏休みだってのに、こんな時期にある三連休のおかげで今日は一日ねむぅ~。つかかなりまずいくらいに集中力なかったな、今日……。やべやべ。後三日しかないからちゃんと働かねば……。

 で、この連休のだいぢぇすと。土曜日。「ディズニーオンアイス 美女と魔獣」at代々木体育館。これに連れて行かれました。思ったより大量の人と、思ったよりこぢんまりしたリンクに驚くも、結構近めの席だったこともあって素直に楽しんでみたり。所々に入るペアフィギュアのリフトが圧巻でした。考えてみればこーゆーやつを生で見るのは初めてな訳で。狼さん達のリフト演技がすごかったです。一カ所、どうも頭を擦っているようにしか見えなかったところもあったんですが、大ジョブだったのかな~? 
 これを見る前、少し時間が早かったんで、明治神宮行ったんです。ワタシ実はまだ行ったことなかったんで。で、ここ明治天皇祀ってるんですね。ま、名前からしたら当然ですが。そう考えると、何で正月はあんなに人があふれるんだろう?なんて思ったりもするんですが、一般の人はそんなことには頓着するわきゃないですよね。で、ちょうど参拝したときに、祈祷最後の太鼓の音が脇から聞こえてきたんで、お宮参りでもいたのかと思ったら、少し後に宮司先頭に白無垢+紋付き袴+その他大勢の行列が。どうやら祝言(結婚式とはちょっと言いたくない雰囲気だよな)あげていたようです。よくよく見ればもう一組見えたりもするんで、そういう日だったのかも。いずれにしても、貴重なモノが見られました。
 帰りは夕食求めてさまよいましたが、まぁ、そーゆーこともあるさ。

 日曜日。天気次第で遠出してもよかったけど、前日の疲れか起きたのが遅かったので、それはなし。夕方からは兄の人が姪っ子連れてやってきたり。すっかり日本語を解するようになってきて、だんだんと人間らしく……コラコラ

 月曜日。借りた「ここはグリーンウッド」に浸る。いや、おもしろいですよ。でも、なんとなく「八神君の家庭の事情」を思い出すのはなぜだろう? ノリや絵柄も結構好きなんだけど、浸りきれなかったのは時系列がぐちゃぐちゃだったのと、最後がなんか中途半端だったこと。こういうどたばたコメディって言うのは、中心の幹がないとなかなか収束させにくいもんだけど、それの典型だった感じ。無理矢理決着つけたみたいで、その辺もったいなかった。しかし、これがそこまでディープなファンを獲得したというところはちょっとわからんな。CDにしたときのキャストの効果かねぇ。つか、緑川、どこ行った?(笑)

【今野緒雪】マリア様がみてる 涼風さつさつ



マリア様がみてる―涼風さつさつ表紙
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「マリア様がみてる 涼風さつさつ」
著者:今野緒雪
イラスト:ひびき玲音 →Russian Blue
集英社コバルト文庫
 

 おそれていた事態。ここまで変に売れはじめた時点で十分に予測できた事態とはいえ、ここまで急激にくるとは……。最近の発刊ペースの上がり方に反比例するかのごとく中身が薄くなっておられます……。

 今回、続き物にするまでの話でないと思うのにオチてない。なかに話が二つある。なのにどっちも中途半端。これなら短編形式にした方がまだ収まりもいいのに。なにより、今回出てきた下級生、今まで名前出てきたことあったっけ? かなりな唐突感が。う~ん。祐麒がかっこよかったのはいいんだけど。

 今後、つぼみの妹騒動でどこまで引っ張るか。それ次第でそろそろ切り時かもしれないなぁ。変な連中に憑かれてしまったのと、それに天狗になってしまった出版社の失敗、ツーことにならないことを祈ります。

昔はふつうにら板今野スレは読めたんだが、最近正常な状態とはほど遠いしなぁ……ヤレヤレ。

2003年06月30日

禁断の……(笑 「三千世界の鴉を殺し」

 とある方面から入手した「三千世界の鴉を殺し」にすっかり嵌ってしまっていた週末、皆様いかがお過ごしだったでしょうか(違

 いやぁ、久々のヒットですわ。コレ。もともとキャラクターで引っ張っていく軽いノリと、軍隊コメディは好きな方だったのでツボに入った入った。本来の楽しみ方は中心の美人二人のカップリングなんだろうけど、ワタシ的には周辺のおねぇさまがたが魅力的すぎてたまりませんな。また、上官のおじさま方もいい性格していらっしゃる。作者が最初に明言しているとおりぎしぎしがなさそな雰囲気なので、比較的安心して読めます。6巻に朝チュンくさいのはありましたが……。って何書いてるんでしょう、ワタシは……。

 シチュエーションやノリがかなりの部分かぶっていると思われるワタシのお気に入り、秋山瑞人氏の「E・Gコンバット」は、これがおもしろいならたぶん大丈夫だと思われます。つか、これは是非是非読んで頂かなくてはなるまい。

 残念なのは、未だ完結ならず季刊誌連載なために刊行ペースが遅いことか。既刊の残りはすでに一冊。これも早晩読み終わってしまうだろうし、そして津守女史の既刊を漁りに書店orブコフに駆け込むことも想像に難くないしなぁ……。まったくやっかいなモノを……。いや、感謝してますよ。ホントに。

2003年05月21日

【瀧川武司】EME BLUE 2 パンドラミミック



EME BLUE〈2〉パンドラミミック表紙
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「EME BLUE 2 パンドラミミック」
著者:瀧川武司
イラスト:尾崎弘宣 →かたくりレモン
富士見ファンタジア文庫
 

 人に非ざりしモノと、人なれど異質なモノとの戦いの日々(?) ちょっとハードな戦闘含んだ現代魑魅魍魎アクション? よくわからんな……。ちょっと硬派なブルーシードでいいか。

 今回のネタは「箱」 ミミックには、昔何度も痛い目に遭わされました。ずいぶん懐かしい記憶ですが、ネタとしてはおもしろい題材かな。あとは、「箱」に見立てたモノの見方というのもおもしろかった。「たしかに」と妙に納得してみたり。

 着々と新しい人間が増えていくのに、その扱いが適度でよい感じ。かる~く読めるので結構好きなシリーズかも。個人的には茜ちゃんとワット君にはもちっと活躍していただきたいですが。あとはアオママ、かな(笑)

2003年05月08日

【笹本祐一】ARIEL19



ARIEL〈19〉表紙
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「ARIEL19」
著者:笹本祐一
イラスト:鈴木雅久
朝日ソノラマ文庫
 

 桃色頭脳本格稼働!

 こっちはそんな感じだろうか。このところずっと宇宙人側だったので、岸田博士が世界相手に引っかき回す、そのスタートラインと序盤がちょっと見えたので最後一気に大加速。エリアルも結構出番多かったし。個人的な引きの強い一冊でした。

 収束に向けて、このまま一気に行ってほしいもんです。今年はロケット打ち上げ、比較的少ないしね……。

【小川一水】強救戦艦メデューシン 下



強救戦艦メデューシン〈下〉表紙
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「強救戦艦メデューシン 下」
著者:小川一水 →小川遊水池
イラスト:こいでたく
朝日ソノラマ文庫
 

 小川印の職業シリーズ・看護婦編、待望の下巻です。

 よかったことはよかったんだけど、どうせ人間扱うなら、中途半端にライトを当てないで、もっと掘り下げてくれればよかったのに……、という感じ。キャラがおおい割にあまり個性が出ていなかった前巻の挽回をはかったのか、前半各キャラのエピソードが入ったりしたんだけど、う~ん……。設定に必然性が感じられなかったのがいたり、微妙な深さまで掘ってしまって、逆に変に薄っぺらくなってしまったのがいたり、裏目に出てしまったかも。ある程度割り切ってしまってもよかったのかな。

 でも、中身の濃さと、変なエネルギッシュさは小川印特有なわけで、怒濤の後半展開は特配に雰囲気が似ていたかも。この独特さが大好きです。

 さて、次は導きか?

【秋山 完】吹け、南の風3 開戦への序曲



吹け、南の風〈3〉開戦への序曲表紙
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「吹け、南の風3 開戦への序曲」
著者:秋山 完
イラスト:小菅久美 →mokemoke
朝日ソノラマ文庫
 

 フレン派vsジルーネ派 世紀の大決戦勃発!

 そんな感じの、鈍器な新刊でした、マル

 いやいや、なかなかに魅せてくれました。「讃えよ!我が姫!」と、ワタシは叫びません。どっちかと言えばフレン派です。どうにもジルーネ嬢は、ペリペティアと光響祭の得体の知れなさが引っかかってねぇ。しかし、今回はずっとなんだかかわいい雰囲気でしたが。イラストの小菅さんのイメージもあるのかも。

 ほんの少しちりばめられている現在への皮肉も、そんなにアクが強いわけでもなく、分厚い割に結構読みやすかったですね。お嬢はともかく、真っ黒な悪人がいなかったせいだろうか……。中頃のラブコメ風味がワタシの好みでした。

 「無垢な戦争」に入る前に、「葡萄園のフレン」が気になってしょうがないところですが、日曜作家さんですからのんびり待ちたいと思います。

2003年04月14日

【神野淳一】シルフィ・ナイト



シルフィ・ナイト表紙
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「シルフィ・ナイト」
著者:神野淳一
イラスト:成瀬裕司 →いすのホームページ
電撃文庫
 

 第二次大戦時のイギリスをイメージした世界での空戦モノ、だと思うんだな。妖精とか魔法とかおばけとかも出てくるけど。

 で、せっかくの細かい世界イメージが見え隠れするのに、それが伝わりきっていない何とも淡泊な文章がすご~くもったいない。一生懸命脳内補完して読むと、きれいな風景イメージが出てくるような舞台なので、そこら辺の描写がもうちょっとほしかった。なんか、状況が箇条書きみたいな印象。時間経過を一行で済ませるのが何回もあるとねぇ。あとは、何故に表紙イラストと本文挿絵が違う人なのか、えぇ、小一時間ほど問い詰めたい感じ。挿絵、あんまりです……。せっかくいろいろと戦闘機が出てきているのに、機体の描写、かけらもないんだものなぁ。

 中心カップルの葛藤や脇役のほどよい主張加減、世界観等々個人的には結構ツボなので、もうちょっと文章を濃くしてくれれば……。

2003年03月03日

【小川一水】導きの星III 災いの空



導きの星〈3〉災いの空表紙
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「導きの星III 災いの空」
著者:小川一水  →小川遊水池
イラスト:村田蓮爾  →PSEWEB
ハルキ文庫
 

 何度となく延期を繰り返した、期待の続刊。待った甲斐のあった厚さ、読み応えでした。

 今回は飛行機と核開発。急激に近代化が進みました。そして、舞台も急激に広がりました。司くんの過去も徐々に明らかになり、そして暗躍する何者かの意志。アルミティとの関係がどうなっていくのか。悪役ともいうべき企業のたくらみがどう転ぶのか。なによりもオセアノがどういう未来を築いていくのか。次で終わりということですが、ちっとも結末が読めないので非常に楽しみです。

 密かな今回の萌えポイントはバーニーなんでしょうか?

 しかし、この間の群青神殿といい、最近小川氏、濡れ場が多いですねぇ……。

2003年02月15日

【成田良悟】バッカーノ! The Rolling Bootlegs



バッカーノ!―The Rolling Bootlegs表紙
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「バッカーノ! The Rolling Bootlegs」
著者:成田良悟
イラスト:エナミカツミ →namihei's room
電撃文庫
 

 第九回電撃ゲーム小説大賞・金賞受賞作。

 禁酒法時代のアメリカ、ニューヨーク。その街で一つの酒が巻き起こしたスラップスティックコメディ(だとおもうんだな)。登場人物がみんな生き生きしていて、楽しそうに暴れ回っている雰囲気がいい。とくに道化担当の二人組がいいアクセントになっているし。人が多すぎる分、ちょっと裁き切れていない部分もあることはあるけど、それを差し引いてもこれはキャラの魅力が上回っているかな。まさにらんちき騒ぎと言った感じで終始していたので、本当に楽しめました。受賞作では一番のアタリかなぁ……。

【高野 和】七姫物語



七姫物語表紙
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「七姫物語」
著者:高野 和
イラスト:尾谷おさむ →元祖・おやじっ子
電撃文庫
 

 第九回電撃ゲーム小説大賞・金賞受賞作。
 和の雰囲気が漂う大陸の片隅で、なんだか怪しい二人組にお姫様に担ぎ出されてしまったのは、孤児の少女。周りの流れに翻弄される、お姫様を演じることになってしまった、一人の少女の視点で語られる日々の物語。
 方々の地名と、そのイラストのために雰囲気が仮想倭国と言った感じ。色合いも優しく綺麗な感じで、印象はいい。リングテイルとかそんな雰囲気を漂わせているかも。のだけれど、お姫様視点であるために、大局的な話が見えにくく、また盛り上がりに欠ける点も多々あるのは否めないかな。一つの決心を以て話が終わっているので、今後一大スペクタクルが繰り広げられるのかな……。そうならおもしろいんだけど。「薄い」という印象のお話でした。

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